技能検定(機械製図CAD作業)の実技試験で、時間切れになってしまう方へ対策を紹介します。
私自身受験時は時間切れに苦しんだので、あれこれ考えて練習しました。
頭でわかっていても、図面に表現するまでに時間切れになるとなかなか悔しいですからね。
リクエストを頂きました
頂いたリクエスト投稿をふまえて、記事にしました。
以下は、投稿の引用です。
技能試験2級。
今回の試験、全く物が見えてきませんでした。物を見る練習になるような本ありますか?時間も全く足りませんでした。Rのところや厚みも全て測って描くのですか?(後略)
「物をみる」や「測って描く」はすべて時間に関わってくるので、今回は「時間切れ対策」という切り口で記事を書いていきます。
時間切れになる要因
技能検定実技の作業工程は、大まかには以下の通りです。
- 読図(形状を把握する)
- 採寸、部品を抜き出し、CADにトレース
- 寸法記入
このうち、1と2が鬼門ではないかと思うんですね。
個人的な経験で言うと「3.の寸法記入にたどり着く前に、時間が来てしまう」になりがちでした。
という訳で、この記事では1.と2.について深堀します。
形状の読み取りに時間がかかる場合
私の場合、時間切れになる原因の一つは「部品のカタチが読み取れず、考え込んでしまう」ことでした。当時職場で扱っているモノよりも複雑で、形を把握できず焦ってしまったんです。
対策としては、試験に出る部品を見慣れれば良いのです。
また、試験中に「この部品はどうやって使うのだろう」や「どう組み立てるのか」まで考えすぎてしまうと本当に一瞬で時間が過ぎるので注意です。「カタマリ」として割り切って下さい。
過去の「課題図」と「解答図」をじっくり見比べる
見慣れる為には、とにかく過去問を利用するのが一番効率が良いです。
課題図(組立図)と解答図例(部品図)は一対にして、時間がある時に眺めて形を捉える練習をするのがおすすめです。
過去問より前段階で何か練習したい……という場合は、こんな書籍があります。
▲ 課題を通して「立体⇔二次元」について頭の体操ができます。
但し一冊やりきるよりは、立体に慣れたかな?くらいの段階で切り上げて過去問に取り組んだ方が良いです。
過去問の入手方法も含め、詳しくは過去記事にまとめています。
こだわらず先に進む
「完全に立体形状を頭の中で把握してから」というのは理想ですが、考えている時間が長いと、後の作業時間がどんどん削られてしまいます。
試験では細部が完全に理解できていなくても割り切って、トレース作業に移って下さい。
指定された部品の一番外側の外形だけ先になぞって把握し、CADにトレースして細部は後から考えると時間を節約できます。
採寸、トレースに時間がかかる場合
試験で一番疲れる工程でした。私が受験時に気を付けたコツを書いておきます。
大まかなレイアウトを先に済ませる
「考えなくても済む作業」を優先して片付けて下さい。
▼具体的には、以下の作業です。
- 図枠は一番最初に書く
- レイアウト(投影図の配置)を先に済ませる
図枠を描いたら、図面に使えるスペースが明確になります。
その後、大まかなレイアウト(投影図の配置)を済ませると、詳細の作図に専念できます。
採寸は手早く、淡々と
課題図の組立図は紙で支給されます。組図や問題文で寸法が指定されている箇所以外は、 Rや穴など含めすべて採寸が必要です。
▼ 最低限、下記で事足りるはずです。私はこの3つを使いました。
デバイダはなんか余計時間がかかる気がしたので、最終的には使ってません。
各自快適な方法を探ってみて下さい。少ない道具でササっとやってしまいましょう。
私は最初測り直したりして時間をかけていましたが、結局「パッと定規を当ててキリの良い寸法を採用」という方針で臨みました。
特にRは、テンプレート当てても微妙にズレた気がして測り直してくなってしまうんですよね。そうするとどんどん時間がなくなるので我慢して淡々と進めて下さい。
(採点人ではないので断定はできませんが、採寸する以上誤差が出るのは仕方が無いし完成しないよりはマシだと思います)
ちなみに、長さの採寸は三角スケールより三角定規の方が快適です。
詳しくは、過去記事にまとめています。