材料力学でまず出くわす「梁(はり)」の問題。
この記事では、その反力の求め方を解説します。
超初心者向けです。
この記事ではとっかかりとして「資格試験問題を解くためだけの作業マニュアル」を目指しました。
この記事の対象。資格試験勉強で、つまずいている人
SFD/BMDのメイン記事も見てね
なお、この記事は過去記事の追加補足記事です。
メイン記事
さて、早速書いていきます。
はりの反力を求める、とは?
こんな梁(はり)の絵があったとして、
この絵の形を保てているということは・・・
釣り合うために、支えている点にも力が発生しています。
これが反力。
資格試験では、はりのBMDやSFDを書く問題が出ます。
そんな時、反力を求めないと先に進むことができません。
これだけ。反力を求める約束事
具体的にどう計算するのか。
それは約束事(条件)に沿って式を立てて、未知数(反力)を求めるだけです。
約束事は3つ。
- 水平方向の力の和は0(ゼロ)である
- 垂直方向の力の和は0(ゼロ)である
- ある点まわりのモーメントの和は0(ゼロ)である
補足で、注意点を書いておきます。
符号に注意
力の向きは反時計回り(↑)を+。時計回り(↓)を-とします。
読む参考書によっては、符号が逆の場合があります。
いずれにせよ、計算の際の力の向きは飽くまで仮定です。
自分が設定した力の向きは、覚えておいてください。
計算結果により、仮定の向きとは逆の力という場合があります。
反力の数は、支持の種類で丸覚え
垂直方向と違い、水平方向の反力は見た目では有無が分かり辛いですよね?
ぶっちゃけ、支持の状態によって丸覚えでOKです。
こんな感じ。
では、例題を解いてみます。
例題
このはりの反力を求めます。
このはりは所謂「単純支持はり」です。
特に断りがない限り、「回転+移動支持の組み合わせ」です。
ということは、このはりに発生する反力の数は合計3つ。
(上述の表を見てください)
もう一回約束事貼っておきます。これ従って、式を立てていきます。
- 水平方向の力の和は0(ゼロ)である
- 垂直方向の力の和は0(ゼロ)である
- ある点まわりのモーメントの和は0(ゼロ)である
まず約束事1「水平方向の力の和は0(ゼロ)である」
「0(ゼロ)である」の心は「=0」という式を立ててよいということなので・・・
約束事2「垂直方向の力の和は0(ゼロ)である」
上述しましたが、符号に注意して下さい。
下向き荷重を―(マイナス)、逆を+(プラス)としています。
約束事3「ある点まわりのモーメントの和は0(ゼロ)である」
Raを支点として、Raまわりのモーメントの合計式を立ててみます。
すると、式にRbが入っていますね。この式で、反力Rbが求まります。
Rbが求まれば、Raは約束事2で立てた式に代入すれば求まります。
というわけで、答えは下記の通りです。
Na=0
Ra=60N(=100-40)
Rb=40N
※2018/6/11:RaとRbの値が長らく逆になっていたので、訂正しました。
ご指摘ありがとうございました。
参考文献
- 中島正貴, 著: 材料力学, コロナ社, 2005, pp. 65-69.
- 日本機械学会, “JSMEテキストシリーズ 材料力学,” 日本機械学会, 2007, pp. 63.
材料力学のテキストは何冊か持っていますが、反力に関してはこの書籍の説明が丁寧でした。
大判で読みやすく、わかりやすいのです。ただ例題が英語でしか書いてない箇所があるのが難点です。
大半の説明記述は日本語なんですけど、まぁネットの辞書を引きながら読むと何とかなります。
おすすめ書籍
初心者(初学者)にオススメなのは、この書籍です。
私は一冊目に買ったのがコロナ社でしたが、ついていけず。
この書籍で理解が追いつきました。
おすすめポイントは、微積分をなるべく使わずに解説されていること。
いきなり式の展開を見せられると、ナヌっとなりますからねw
この書籍で理解したあとは、下記のコロナ社の書籍にもすんなり入り込めました。
↑ この本は一見難しそうに見えますが、テキストを買いあさっては挫折を繰り返した私からすると、とても丁寧な方です。
初心者向け書籍を卒業して、一歩上のレベルに進みたいときに手に取りたい。そんな本。
数学が苦手で初っ端に手に取ると、とっつきにくいかもしれません。
↑反力を始め、梁の問題をたっぷり練習できる問題集もあります。建築向けですが、わかりやすいです。
さいごに
資格試験を受けるなら、材料力学で止まってられません。
深く理解する前に、とりあえず機械的に解いてしまいましょう。
深く知りたい欲求は、その後に湧いてきます。
その時にじっくり勉強すれば良い、という考え方です。