建築分野向けの学習書ですが、機械系の材料力学の補習ドリルとしても使える本を紹介します。
材料力学の梁の問題を、初歩から練習できます。
この本です。『やさしい 建築構造力学演習問題集』(浅野清昭, 学芸出版社)
梁の問題は、「構造力学」の本が分かりやすい
今回紹介する本は、書名の通り構造力学を学ぶための問題集です。
機械系の学習書では、材料力学という科目で出てくる「梁(はり)の曲げ」。
機械設計技術者試験など資格試験や普段の業務でも、不可欠な大事な分野です。
建築では構造力学という科目名で、材料力学の「梁の曲げ」とかぶります。
私は当初「自分は機械系だから関係ない」とスルーしていましたが、もったいないことをしました。
建築の構造力学には、わかりやすい参考書や問題集が豊富にあります。
サクサクと学習が進む
本書の構成は「簡潔な解説」と「演習」の1セットです。
解説は1ページに簡潔にまとめられており、ざっと読んだらすぐに問題にとりかかることができます。
すぐに手を動かすので、眠くなることもなく、サクサクと学習が進みます。
たっぷりの余白に、ガンガン書き込める
そして、演習ページにはたっぷりの余白があります。
ガンガン書き込んで解けますし、間違った点は赤字でメモしておくと、自分だけのテキストが出来上がります。
本のサイズはB5の大学ノートサイズ。
大き目で扱いやすいのも良いです。

グラフの向きなど、細かい差異には注意
少し注意点としては、機械系の教科書との表記の違いです。
例えば、曲げモーメント図のグラフ。機械系の教科書ではプラスは上向きで描かれていることが多いですが、本書では逆です。
あとは、機械系の教科書でいう「曲げモーメント図」や「せん断力図」は、構造力学のテキストではM図やQ図と呼ばれています。
機械系の教科書ではあまり見慣れない「N図(軸方向力図)」なんていうのも出てきます。
別に計算結果の値が変わる訳では無いので、機械系で一通り勉強した人も特段困惑しなくても大丈夫です。
材料力学の梁の問題に、抵抗がなくなります
私は機械系の教科書で材料力学を一通り勉強しましたが、勉強当初にこの本があればもっとストレスが無かったのに!と思いました。
今は計算を忘れないように、ドリルとして取り組んでいます。
力の基礎(つりあいやモーメント)から始まり、反力、単純梁、ラーメン、トラスと順を追って、しっかり演習できます。
機械系の学習者の方も、ぜひサブテキストとして検討してみて下さい。
※ アマゾンの商品ページでは、本文と解説の見本を少し閲覧できます。