英語で書かれた材料力学の教科書を買ってみました。
『Statics and Mechanics of Materials in SI Units 』という本です。
カラフルな図表、そして例題が豊富でとても分かりやすいです。
英語が苦手だと抵抗があるかもしれませんが、それで回避するのはもったない本。(私も英語得意ではありませんが、楽しく取り組んでいます)
英語の勉強にもなって一挙両得です。良い本なので紹介します。
どんな本?
私はkindle版を買いました。日本のアマゾンで購入できます。
(2019/1/12現在:15,491円)
本書は、書名の通り「静力学と材料力学」の教科書です。
Pearson Educationという、イギリスが本社の出版社から出版されています。
そしてSI単位版です。おかげで洋書でも単位に戸惑うことはありません。
元の版は米国内向けで、馴染みのない単位表記(例えば圧力がPaではなくpsi等)なのでSI単位版はありがたいです。
価格について
専門書なので価格は安くはありません。電子書籍で$143.62(2019/1/13時点、米amazon)。※ $64.94(2019/10/8時点、米amazon)。
日本円で2019/12/20現在:9,149円です。
しかし800ページのボリュームがあり、材料力学と英語が勉強できると思えば、価値はあると感じました。(ちなみに私は$143で買いました)
詳細な目次は、公式で見られます。
ちなみに米amazonを見ると、材料力学の工学書でランキング4位(2019/1/13時点)となっていました。
- (参考:材料力学の工学書ランキング)Best Sellers in Strength of Materials Engineering
以下に、気に入った点を挙げていきます。
気に入った点
(学力が)初心者から使える
材料力学に入る前に、静力学の初歩から解説が始まります。
有効数字について、単位の扱い、ベクトル、モーメントの釣り合い……と順を追って説明されていきます。
高校数学、物理が完璧でなくても、何とかなると思います。
英語のレベルは、中学英語を何とか押さえていれば大丈夫かと。
恥ずかしいですが、私自身20年近く前に英検3級受かったっけ……?というレベルです。
知らない単語は、後述しますがkindleの機能で調べられますし、人前で音読するわけでもなし。
自分のペースで読めばOKです。
写真、図表がカラフルで豊富
工学の参考書って、彩度の低いお堅いレイアウトが多い印象です。
本書は写真が多く、図には色が塗られています。
これだけでも、なんか温かいイメージが出てとっつきやすくなります。
kindle版の中身検索をご覧ください。→書籍のamazonの詳細ページへ飛びます
説明が丁寧で分かりやすい!
私は材料力学の参考書の分かりやすさを判断する際に、必ずチェックする単元があります。
それは、モール円と梁の曲げです。
実務でよく使いますし、資格試験でも力をいれて問われることが多い単元です。
何より分かりづらい本が多くて、自分が学習時に一番苦労した単元なので根に持っています。
で、本書の解説はどちらの単元もとても親切だと感じました。
特にモールの応力円は分かりやすいです。平面応力についての説明から、ページをじっくり割かれて解説されています。
練習問題が具体的
練習問題って、文章だけで書かれていると分かり辛いです。
あとは、図があっても線だけの模式図だと、現実とリンクしないのでいまいち理解が進まなかったり。
しかし本書なら問題の図が具体的に描かれている事が多いので、具体的に力がかかっている様子を想像しやすいので良いです。
kindle版の中身検索をご覧ください。→書籍のamazonの詳細ページへ飛びます
英語に慣れられる
英語を読まなければと絵本や小説を買っています。
しかし絵本はなんとか読めても、英語小説だと、逐一意味を調べてまで話を追うのが面倒になって「もういいや……」と投げてしまいがちでした。
しかし当事者である分野の本は、頭への入り方が違いました。
なにせ「力学を理解する」という明確な目的があります。
だから必死で解説を読みますし、例題では何を問われているのか、頑張って考えました。
kindle版なら、辞書機能ですぐに単語の意味を調べられる
私はPCにkindleアプリを入れて閲覧しています。
不明な単語を選択し、右クリックで辞書を選ぶと、意味が表示されます。
google翻訳も役立つ
更に文章自体がどうしてもわからない場合は、kindleからコピーして翻訳にかければ大意を理解できます。
私がおすすめなのは、google翻訳。使いまくりました。
時々意味不明な訳文になりますが、元の文章が簡潔なので原文を見ればなんとかなるはず。
▼ さらに詳細を深めるには、単語を選択すれば英英辞典、類語が下側にダダっと出てきて、一覧することができます。発音まで聞けます。

(注)「MasteringEngineering」はKindle版では使えない
本書には、以下のように「MasteringEngineering」を勧める記述があります。
MasteringEngineering. This online Tutorial Homework program allows you to integrate dynamic homework with automatic grading and adaptive tutoring.
HIBBELER, R. C. (2018). Preface. In Statics and mechanics of materials in si units [Kindle version] (5 ed., pp. 14). Pearson Education.
HIBBELER, R. C. (2018). Preface. In Statics and mechanics of materials in si units [Kindle version] (5 ed., pp. 14). Pearson Education.
「MasteringEngineering」とは、一言でいうと、ネットで学習するためのシステムです。
アクセス権を一緒に購入すれば、アクセスできるようになります。
それが、キンドル版にはアクセス権が無いので使えません。そこだけ注意をお願いします。
ただこのシステム、主な対象は学校に所属する学生です。
学校が導入していれば、自宅で予習復習や、講師に宿題を提出して採点してもらったりできるようです。
ぶっちゃけ無くてもOK
私は、本書はキンドル版を買ったので「MasteringEngineering」にはアクセスできません。
しかし以前、同出版社の違う本「Mechanics of Materials」をアクセス権と一緒に購入しました。
それで使ってみた感想を書いておきます。
一般の独学者へのメリットは下記の通り。
- 資料集のページで、授業動画を閲覧できる。
- オマケ資料を見られる(単位の変換表や数学の公式集など)
- 学習ソフトをダウンロードできる
「あればうれしいけど、必須では無い」というのが結論です。
授業動画は、板書と語り、の映像なので特段わかりやすいものでもありません。
英語力が低い私にとっては早口で聞き取れなかったので、字幕をだして見ていました。
公式などの資料集は、本書の巻末にもあるし日本語でも十分情報はとれます。
学習ソフトは、梁の曲げを確認できるソフトです。
今ならクラウドの解析ツールも無料で使えたりしますので、代替可能です。
英語が苦手だからな~という方へ
「ただでさえしんどい力学の勉強+英語の読解って大変」と思う方もおられるでしょう。
どうしても英語のせいで進まない場合は、「日本語の材料力学の本で勉強してから復習として本書を使う」と勉強が進みます。
私も英語力が低いのですが、事前知識かつ、本書のレイアウトや図表の妙で読み進められました。
google翻訳やkindleの辞書に沢山頼りましたし。
なんだか、「英語のこんな充実した教材があるのに、自分の語学力のせいで享受できない」のが悔しくなってきました。
この本で慣れて、英語の情報にアクセスする足掛かりにしていきませんか?
入手方法。kindle版がおすすめ
本書には下記のバリエーションがあります。
- 書籍版
- 電子書籍(amazonのkindle版)
私はアマゾンのkindle版をおすすめします。
先ほど説明した様に「MasteringEngineering」は使えませんが、学習の利便性がとても大きいからです。
メリットはこんな感じ。
- 書籍に比べて、安い
- かさばらない
- 不明な単語をすぐに調べられる
- すぐに入手できる
ちなみに、紙の本を買う場合は、到着の遅延や紛失の可能性を考慮して下さい。
私が米amazonから書籍を購入した際、航空便でしたがどこかで紛失されてしまいました。毎日荷物追跡を眺め、問合せや米amazonに返金依頼をしたりと時間をとられてしまいました。
私はkindle版を買いました。日本のアマゾンで購入できます。