Autodesk Inventorで、図面(組立図、部品図)を描く操作方法(流れ・手順)を紹介します。
後述しますが、完璧に2D CADの再現を求めないのがコツです。
0. 3Dデータを作る
モデリングについては割愛しますが、こんなデータが既にある前提で説明を進めます。
めちゃくちゃ適当ですが、シャフトブラケットに軸が嵌っていて、ブラケット固定用のボルトが組み付いている……というイメージです。
この例は組立図ですが、部品図でも同様の操作です。
1. 図面モードに入る
「ファイル」→「新規」をクリックして、図面作成モードに入って下さい。
(下図の「standard.idw」をクリック)
すると、デフォルトの図面枠がセットされた状態の白紙図面が出てきます。
2. 図枠を設定
デフォルトの図面枠を削除
たいていは、自社や取引先の指定図面枠があると思います。
なので、デフォルトの図面枠と表題欄を消してください。
下図の「既定の図面枠」「JIS(これは表題欄です)」を右クリックし、削除を選択すれば消せます。
新しい図面枠を定義する
左のツリーの「図面リソース」の「図面枠」を右クリック。
「新規図面枠を定義」をクリック。
すると、スケッチ画面になります。
Inventorのスケッチ機能で、任意の図面枠を作図して下さい。
新しい表題欄を定義する
図面枠と同様に、表題欄も作ります。
左のツリーの「図面リソース」の「表題欄」を右クリック。
「新規表題欄を定義」をクリック。
すると、スケッチ画面になります。
Inventorのスケッチ機能で、任意の表題欄を作図して下さい。
変数を指定できます
表題欄には、変数を指定できます。
たとえば、3Dデータにあらかじめ部品名や、材料などを指定しておけば、それを読み込んで呼び出すことができます。
この例では、<タイトル>が変数になります。
作った図面枠たちを、セットする
作り終わったら、作った図面枠や表題欄を右クリック→「挿入」をクリック。
すると、シートに枠がセットされます。
オリジナルの図枠と表題欄ができた。
3. 3Dデータを指定
いよいよ、3Dデータを読み込みます。
「ビューを配置」タブから、「ベース」をクリック。
すると3Dデータの場所を聞いてきますので、指定して下さい。
とりあえず、正面図を配置しました。
「ビューを配置」タブには、投影や断面図など投影図を作成する機能がありますので、適宜操作します。
簡単に、三面図を配置しました。
※軸など、必要ない箇所のハッチングはオプションで消すことができます。
4. (組立図の場合)部品表をセット
部品表を表示することができます。
「注釈」タブ→「パーツ一覧」をクリック。
すると、3Dデータから部品名、下図などを読み取って表が生成されます。
部品表の番号に連動して、風船も入れられます。
部品表の項目は、調整可能
部品表をダブルクリックすると、ウィンドウが立ち上がります。
そこで、表の設定変更が行えます。
見出しを右クリック→「列選択」をクリックすると、
表の項目を追加or削除できます。
5.一通り完成
はい、これで一通り完成しました。
※軸など、必要ない箇所のハッチングはオプションで消すことができます。
6. DWGに変換
図面の受け渡し先が2D CADユーザーなら、DWGに変換せねばなりません。
これはInventorの標準機能で可能です。
「ファイル」→「書き出し」→「DWGファイルにエクスポート」をクリック。
すると、保存先を聞いてくるので、任意の場所を指示。
下の方でファイルの形式を選べるので、「AUTOCAD DWG」を選択。
そして、オプションをクリックすると、AUTOCADの変換バージョンなど、細かな変換設定ができます。
さいごに:コツは、完璧な二次元図面を求めすぎない事
実感としては、2D CADほど細かい事はできません。
内容にもよりますが、完全に2D CADと同じことをさせようとすると、時間がどんどん過ぎていきます。
私もよく、こだわりすぎて時間を無駄にしてしまいます。
そこはご注意ください。
例えば、軸端を図面上でS字破断しようとしました。2D CADではよくやる作図です。しかしInventor2019にはその機能がありません。
不便ですが、
- 1、2枚ならDWGに変換して2D CADで作図する
- 複数あるなら、軸端がS字に見えるように無理やり3Dモデリングする
……などと柔軟に対応しています。