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モールの応力円とは?意味と書き方を、計算をすっとばして説明するよ【超初心者向け】



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モールの応力円とは

材料力学で出てくる「モールの応力円」。
この記事では、その意味と書き方を解説します。
とりあえず、参考書の例題レベルを解けるようになるのがゴール。
超初心者向けです。

この記事の対象。導入で、つまずいた人

導入から意味不明で詰まった人に、説明する」というコンセプトで書きました。

モールの応力円」って、個人的には理解にめちゃくちゃ苦労しました。

何言ってるのかわかんないんですよ。
参考書の文字を追うのすらしんどいレベル。
やたらと円がでてくるが何やこれは?と。

私だけなんでしょうか(笑)
2か月くらい騙し騙し勉強してようやく分かりました。

同じような人に、「まぁ参考書を読んでやるか!」という気を起してもらえると嬉しいです。

では早速。

モールの応力円とは?何に使うの? →便利な計算道具です

そもそもモールの応力円とは、何なのか。

ざっくり一言で言うと
外力(かけた力)に対して内部でどういう力が発生したのか、が分かる便利な計算道具」です。

「モールの応力円をどういうタイミングで使うのか?」を2例挙げてみます。

細かい読み方は後で解説するので、ふ~んと眺める程度でOKです。

ねじられるチョーク

とりあえずこの図を見てください。
黒板のチョークが、ねじられています。
どうなるでしょうか?

ねじられるチョーク


理論上は、こんな風に破断するはずです。
45°傾いた場所にクラックが入ります。

クラック入ったチョーク


この場合、どこにどんな力が働いたのでしょうか?

そこで、「モールの応力円」の出番です。

ねじりのみのモールの応力円

この図によって、45°傾いた面で最大の垂直応力が働いてしまうんだな!と言う情報が得られます。 (見方は後述します)

「外力(かけた力)に対して、内部でどういう力が発生したのか」がわかります。
ややこしい公式を覚えなくても、この図をかけばビジュアルに数値を把握できるという訳です。

引っ張るとどうなる?

今度は、部材を引っ張ってみます。

いわゆる引張試験のように、両側から引っ張ります。

どんな力が発生するのでしょうか?

引っ張られる棒


見かけ上は、まっすぐにしか力かけてないじゃん!と思いますよね。
でも内部には、分力が働いてそれもまた負荷となります。

理論的には引張っている力に加えて、45°傾いた面でもせん断応力が最大になります。
(どちらで破壊するかは、材料物性次第です)


これもモールの応力円で、簡単に把握することができます。

引張のモールの応力円

モールの応力円の書き方

モールの応力円が役立つタイミングは解ったとして、ではどう書くのでしょうか?

モールの応力円の書き方自体は、とても簡単です。
とりあえずはポンポンと機械的にプロットすればOKです。

では、試しに書いてみましょう。

例題

こんな応力状態のモノがあるとします。

X軸に引張り、そしてせん断応力が働いています。

これを、モールの応力円を書いてどんな応力が発生するか確かめてみます。

モールの応力円例題

これを、モールの応力円にプロットしていきましょう!

その1.座標軸をかく

まず、座標軸を書きます。

横軸は垂直応力のσ(シグマ)、縦軸はせん断応力τ(タウ)です。

縦軸は、下側が+(プラス)になるようにして下さい。
あとあと楽です。

参考書によってまちまちで、ここが混乱ポイントだったります。

モールの応力円の書き方、座標軸

2.ぽんぽんと点を置いていく

座標軸に、点を置いていきます。

例題で前提になっている応力は、下記の通りでしたね。

  • σx=50Mpa
  • σy=0
  • τxy=30Mpa

これを、座標として点A、点Bに印をつけて下さい。

  • 点Aの座標:(σx, τxy)
  • 点Bの座標:(σy, -τxy)
モールの応力円の書き方

3.円を書く

次に、点AとBの中点が、円の中心です。

円を書いて下さい。

モールの応力円の書き方
モールの応力円の書き方

はい、できあがりです!

次は、読み方です。

モールの応力円の読み方

このモールの応力円から、次の事項を読み取れます。

  1. 主応力面の角度
  2. 主応力の値
  3. 主せん断応力面の角度
  4. 主せん断応力の値

まとめて書くとこんな感じ

モールの応力円完成図

一つずつ説明していきます。

1.主応力面の角度

主応力面とは「断面に対して垂直の応力のみが生じる面」です。
このとき、せん断応力はゼロになります。
(モールの応力円上でもそうなっています)

見かけ上の負荷(例題の場合はσx=50Mpa)とは違う値になります。

  • 点Aをスタート地点として、横軸のσ軸まで回転させて下さい。
    あ、反時計回りが正方向(プラス)です。

主応力面の角度

  • グラフ上は2×θですので、実際の値は2で割ってください。

2.主応力の値

上記の通り、点Aをスタート地点として、横軸のσ軸まで回転させて下さい。

そこが、主応力です。

主応力には最大と最小があり、σ1およびσ2と呼ぶことが多いです。

3.主せん断応力の角度

せん断応力の最大値は、「主せん断応力」と呼ばれます。

  • 主せん断応力は、点Aから左回りに円の頂点まで回転したポイントです。
    (主応力面に対して45°傾いた面になります。)

  • グラフ上は2×θsですので、実際の値は2で割ってください。

4.主せん断応力の値

上記で求めた点が、主せん断応力です。

  • これも最大値と最小値が存在しますが、最小値だからといって応力が存在しないわけではありません。
    せん断応力は一組で釣り合っているので、方向の問題です。

  • +(プラス)は反時計回り、-(マイナス)は時計回りだと考えればOKです。

せん断応力方向のこつ

せん断応力の矢印の方向が、元の例題の応力図と、最大せん断応力では逆になることに注意して下さい。
※モールの応力円で見れば、つじつまが合います。

応力図ではどうなる?

上記モールの応力円の状態を、応力図でも書いておきます。
すべて、計算無しにモールの応力円から求まりました。

※実際試験などでゼロから作図するなら、三平方の定理くらいは要ります。
今回は、めんどくさいのでCADで作図しました。

例題(再掲)

モールの応力円の例題


例題のモールの応力円(再掲)

モールの応力円完成図


主応力

元の座標から+25°(反時計回り)傾いた座標になります。

応力図上でも、反時計回りが+(プラス)です。

モールの応力円作図時にτ軸のプラス方向を下にしたので、応力図の座標と見た目が一致します。

学習時、ほんとこれで混乱しました。

主応力の図

主せん断応力

モールの応力円上で数値をすべて読み取れます。

せん断応力の矢印の方向が、最大せん断応力では逆になることに注意して下さい。

+(プラス)は反時計回り、-(マイナス)は時計回りだと考えればOKです。

主せん断応力図



参考文献



おすすめ書籍

モールの応力円は、何冊か本を読みましたが頭が痛かったです。
本によって座標の取り方がまちまちで、そこから大混乱してしまうんですね。

勉強し始めは、モール応力円のτ座標が上向きになってたらもう半泣きです。

わりとわかりやすかった本を、紹介します。

項目によっては説明が難しい箇所もある本ですが、モールの応力円に関しては導入から丁寧に書かれていました。
縦軸のτ座標も、ちゃんと下向きです(笑)

モールの応力円に関しては、こちらもとてもわかりやすかったです。
機械的にモールの応力円を書けるようになったら、次のステップとして読みたい本。
応力の考え方「テンソル」についても丁寧に書かれています。じっくり読めば小手先以上の考え方を頭に入れることが出来ます。

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モールの応力円、たまに出題されてます。

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