機械設計技術者試験3級の勉強法やおすすめ参考書をまとめてみました。
私が勉強していたとき、ネットではまとまった情報はなく手さぐりで苦労したので、次受ける方の参考になれば幸いです。
この記事の対象
この記事は、基礎学力低めの方(辛うじて高卒程度?)が対象です。
私がそうだったので。
物足りない方は自分でどんどこ進めてください。
- 2級を受けられる方は、別途記事があります。
機械設計技術者試験 2級の勉強法とおすすめ参考書。過去問を軸に独学でOKです
試験内容
以下に、概要を書きます。
最新情報は、公式サイトをご覧ください。
受験資格
受験資格は、無し!
誰でも受けられます。
試験日程
- 試験は年1回
- 出願は8月上旬~9月中旬
- 試験日は11月中旬
- 関数電卓使えます
試験科目
9科目です。
各試験科目別のおすすめ書籍は、後述しています。
すべてマークシートです。
- 機構学・機械要素設計
- 機械力学
- 制御工学
- 工業材料
- 材料力学
- 流体工学
- 熱工学
- 工作法
- 機械製図
関数電卓の持ち込みOKです!
普段から使って慣らしておきましょう。
勉強の進め方
- 過去問をとにかく解きましょう!
過去問が最良の道しるべで先生です。
機械設計の参考書を1から読みだすと、ボリュームが多すぎてキリがありません。過去問を解く→本で似たような例題を探して解く→解法をノートにメモっておく
これがオススメの流れです。
- 合格点は公表されていませんが、合格率は受験者の3割程度です。
- 70点ぐらいの得点を目標に勉強すると良いと思います。(私の肌感覚ですが、完璧を狙いすぎないという意味合いで書いています。)
- 10分野あります。捨てる分野は容赦なく捨てて、他の分野に注力します。
基礎学力に不安があるからこそ、あれもこれもやって間に合わないパターンになりがちです。 - オススメの得点源は機械製図です。100点狙って下さい。
問題数が多い上に、実務にもすぐに役立つ科目です。
過去問題の入手方法
ネットで無料で入手する
ネットで10年分ダウンロードできます!
但し、平成27年度以前の分は答えはありません。
2022/1/6追記:現在は、3年分のみ閲覧できるようです。
掲載分以外の年度は、電子書籍版や過去年度の書籍の購入をご検討下さい。
本を購入する
過去問題が解答付きで販売されています。
2022/5/22 追記)ネット書店では品切れが多く、書籍の入手は難しいことがあります。
直近過去三年分は問題と解答がPDFにて無償公開されているので、すぐに受験予定がなくても確認しておくのが良いと思います。
▼ 最新の販売書籍の情報は、公式サイトの販売帆布品のページをチェックして下さい。
- 電子書籍(キンドル、楽天kobo)で3年分(平成23~25年実施分)の合本が出ました。
こちらは1級~3級が収録されています。
分野別のおすすめ参考書
3級の科目
科目名をクリック(or タップ)すると、その科目に飛びます。
機構学・要素設計
歯車やねじなど、機械要素について計算させる問題が出題されます。
過去問解いていくうえで、わからない事はこの本にほぼ書いてあったと思います。
基本の公式と使い方を覚えるようにしてください。
機械力学
高校で物理をしっかりやった方なら楽だと思いますが、私は苦戦しました(笑)
過去問題でわからない事は、この本に類題として多く載っていました。
例題は式の展開から詳しめ、章末問題は解説あっさりなので少し?が残る事もありましたが、
基本的にはこの本で過去問題は解けます。
かなり易しく書かれた本で、1番目の本では当たり前すぎて書かれてない事を埋める本です。
高校物理に自信がない人にはありがたい本です。
当ブログに、関連記事もあります
制御工学
私はこの分野はなかなか勉強が進まず、過去問題の正答率もかなりわるくて実質捨ててしまいました。
しかしこの本で制御の概念だけでも読んでおいて損はありません。
用語を問う問題も出題される事ありますので。
工業材料
この科目、個人的には力学の計算科目よりも解くのがしんどく感じます。
文章も沢山読まねばなりませんし、勉強していないとあてずっぽではなかなか当たりません。
あるていど体系立てて知識として整理し、覚える必要があります。
(しかし深入りはキリがないので、あくまで俯瞰的に)
この本は良書です。
大判でカラフルなので、なんかワクワクします。
鉄-炭素系平衡状態図なんかも色つけてくれてるだけで、ほんと見やすい。読む気になります。
炭素鋼を中心に、各種合金の解説、加工が勉強できます。
これで足りない事は、ネットで検索すれば過去問題はすべて解けます。
当ブログに、解説記事もあります
工業材料科目に特化した記事もあるので、ご覧ください。
材料力学
BMD SFDを自由に書けるようになるのが山場です。
梁の計算ですね。
制御工学のように難しい計算は少なく、とても勉強しやすい科目です。
この本は導入にぴったり。概念がわかります。微積分なしでどんどん例題をこなして、慣れることができます。
慣れてくると、本が物足りなくなるタイミングがありました。
そのフェーズではこの本を使いました。
微積分の式の展開も丁寧で、付け焼刃の数学知識でもすんなりと勉強できます。
当ブログに、解説記事もあります
初めて勉強される方なら、本でも分かり辛い箇所もあるかと思います。
特にモールの応力円は、私も初読では概念すらつかめず苦労しました。
できるだけわかりやすく書いていますので、苦戦している方はぜひご覧ください。
流体工学
解説も易しく豊富で、掲載問題も沢山。過去問題の類題も多い。
当ブログに、記事もあります
熱工学
わかりやすい機械教室シリーズです。良書です。
解説も易しく豊富で、問題が多めです。過去問題の類題も多い。
逆に言うと、言葉で説明してくれている分、文章が多いので疲れるかもしれません。
でも!計算の羅列に疲労するよりは、ずっと前へ進むことができます。
少し古い本ですが、こちらもわかりやすい本でした。
おすすめは、 熱機関の解説。冷凍サイクルはこの本でやっと勉強する気が起きました。
イラストが随所にあり、計算から入るより概念を先に解説してくれるのがうれしい。
伝熱に関しては、この本です。
先程紹介した「わかりやすい機械教室」は伝熱工学がカバーされていません。
伝熱工学、たいていの本は計算ばかりで嫌になりました。
しかしこの本は(もちろん計算もありますが)概念の解説、図解と簡単な例題が用意されているので、何とか放棄せずに済みました。
熱力学の問題集です。
伝熱も収録されています。ドリル、ワークブックという感じ。
単元の冒頭に公式など簡単な解説もあるし、例題の解答は比較的丁寧でわかりやすい。
過去問で悩んだら、たいていは類題がこの本に載ってます。
当ブログに、記事もあります
どうしても気が乗らないなら、模型を眺めてみて下さい
工作法
事典みたいな感じです。問題がついている訳ではありませんが、過去問のキーワードのページを読むと理解が深まります。
あとはネット検索で過去問は解けますよ。メーカーのwebサイトで豊富な情報が得られます。
機械製図
仕事で図面書いてる人なら、勉強なしでも得点率は高いでしょうね。
私は一番勉強が進んだ分野です。
仕事によっては古いJISで図面書くこともあるので、最新JISの確認にもなりました。
勉強しただけ、実務にもすぐに役立ってくる大事な砦です。
便覧です。仕事のデスクに必ずおいてます。
過去問であやふやな所をチェックしました。
名著です。図面に慣れてない方は、導入に丁度よいですね。
易しい語り口で、エッセンスがつまっています。
解説記事
最後に
あやふやな知識の整理にもなって、自信がつく本当に良い試験です。
健闘を祈ります!
機械設計技術者試験3級の関連記事
2級も楽しいです。
材料力学記事
▼ほかにも、解説記事を色々書いています。