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機械設計技術者試験 2級の勉強法とおすすめ参考書。過去問を軸に独学でOKです

機械設計技術者試験

機械設計技術者試験 2級の勉強法とおすすめ参考書を紹介します。
2級となると3級取得後でも身構えてしまいますが、効率よく勉強を進めていけば大丈夫です。

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この記事の対象

機械設計技術者試験 2級を受けたいが基礎学力に自信が無い人。

私は3級から受け始めましたが、勉強開始時の学力は辛うじて高卒レベルでした。

ゆえに、テキストは「できるだけ平易に書かれたもの」を選んで勉強していました。

同じような方には参考にして頂ければ幸いです。

▼関連記事
3級の記事です。
機械設計技術者試験3級の勉強法とおすすめ参考書まとめ

どんな試験?

以下に、概要を書きます。
最新情報は、公式サイトをご覧ください。

受験資格

学歴によって異なります。
詳しくは公式サイトを確認してください。

例えば工学系以外の出身なら、3級取得者でもトータル6年が必要です。

試験日程

  • 試験は年1回
  • 出願は8月上旬~9月中旬
  • 試験日は11月中旬

試験科目

概ね、3級と科目は同じです。
大きな違いは、記述式の科目が増える事です。

出題科目は、改定される可能性があります。
最新の出題科目や出題される問題などは、公式サイトの「試験概要と出題科目」「過去の試験問題情報」をご確認ください。

▼ 以下は、公式サイトの「試験概要と出題科目 (ページ中段、令和4年度 2級試験科目時間割)」を参照し、2022/10/10時点の出題科目のリストを作成したものです。

  • 機構学、機械要素設計、機械製図
  • 機械力学、材料力学
  • 熱工学、流体工学
  • 工業材料、工作法
  • メカトロニクス分野
  • 環境・安全分野
  • 応用・総合

最近、メカトロニクス分野が設けられたようですね。

勉強の進め方

3級から受験するのもあり

私は3級から順に受験しました。
時間が許すなら、3級から順に勉強するとスムーズに2級に移行できます。

受験資格年数の短縮にもなります。
※例えば工学系以外の出身なら、3級未取得だとトータル7年(取得者は6年でok)が必要です。

3級についても、記事を書いています。参考にどうぞ。

本丸は応用・総合

3級とちがって、2級には記述式の科目があります。

特に「応用・総合」は計算の課程も書かねばなりません。
他科目でやった公式を色々使うことになり、さしずめボス戦といった雰囲気です。

とはいえ、計算のレベルとしては他科目(材力とか機械力学とか)をしっかり勉強していれば解けます。

追加で、構造力学や空圧回路もかじっておいた方が良いです。

参考書籍は後述しているので、ご覧下さい。

個人的には、他科目よりもこちらを先に勉強しておいたほうが良いです。

過去問を逆引きで進める

過去問が道しるべです。
「機械設計」といっても範囲が広い。
基礎から固めるとか言って1から読みだすと、ボリュームが多すぎてキリがありません。

過去問を解く → 本で似たような例題を探して解く → 解法をノートにメモっておく

これがオススメの流れです。

過去問を解き、分からない部分を参考書で調べて読み込む。
逆引き方式で進めましょう。
繰り返して解いてるうちに、計算や出題方式に慣れてきます。

過去問の進め方は、別途記事にしました。

過去問の入手方法

では、過去問の入手についてです。

2通りあります。

1.公式サイトで無料入手

ネットで10年分ダウンロードできます!
但し、平成27年度以前の分は答えはありません。

また、応用・総合問題はどの年度も解答の配布はありません。

2022/1/6追記:現在は、3年分のみ閲覧できるようです。
掲載分以外の年度は、電子書籍版や過去年度の書籍の購入をご検討下さい。

2.書籍で購入する

1冊あたり1年分のみ、1~3級の問題が掲載されています。

3級ではケチって買わなかったのですが、2級受験時は応用・総合の答えを知りたくて5年分ほど購入して臨みました。

受験しない級が収録されているので使いづらいですが、これがないと正式回答がわからないので、分野別のポイントと、おすすめ参考書で紹介する書籍を併用して勉強しました。

▼過去問は電子書籍版もあります。

分野別のポイントと、おすすめ参考書

分野(科目)別のポイントと、おすすめ参考書を紹介します。
すべて私が勉強に使った本です。
過去問本だけでは解説が不十分で分かり辛いので、本が大活躍でした。

選んだ基準は「できるだけ平易に書かれていること」です。(数学や物理が得意ではないので・・・)
また、試験だけに特化した本ではないので、普段の実務や勉強でも役立つと思います。

2級の科目一覧

科目名をクリック(or タップ)すると、その科目に飛びます。

機構学・要素設計

歯車やねじなど、機械要素について計算させる問題が出題されます。
過去問解いていくうえで、わからない事はこの本にほぼ書いてありました。
この本を1ページ目からやろうとすると大変なので、あくまで過去問の補強用として使って下さい。
基本の公式と使い方を、例題を解きながら慣れるようにすると良いです。

機械製図

3級とは違って、書かされる可能性があります。たとえば溶接記号。
普段テンプレ頼りであやふやだったので焦りました(笑)

JISの閲覧なら、JISCでも無料で可能です。
(機械製図はB0001です)

ただ、解釈や解説を含めた本も手元に置いています。

解説記事

機械力学

3級に比べて大きな難易度の差はありませんが、3級で余裕が無かった人はもう一度きちんと勉強した方が良いです。

▲ 私の場合、3級受験から間があいたので、高校学参からやりなおしました。
図も豊富で、ゆるい雰囲気が楽しいです。

▲ 過去問題でわからない事は、この本に類題として多く載っていました。
例題は式の展開から詳しめ、章末問題は解説あっさりなので不親切な気もしますが、基本的にはこの本で過去問題は解けます。

材料力学

2級を受けられる方なら、既にBMDやSFDは書けるとは思います。

但し、3級とは違って不静定問題も出る事がありますので、勉強範囲は少し広がります。

材料力学のテキストは何冊か持っていますが、2級はこの本をよく読みました。

不静定はり、モールの応力円、この辺りは3級では流しちゃったので実質じっくり勉強したのは2級が初めてです。
3級でおすすめした書籍は、解説が少なかったりと不足を感じました。

この辺りの事、この本はとても丁寧でした。大判でじっくり読めば理解もついてきます。
ただ、英語が混じってるんですよね。いきなり英語の例題が現れ、対訳もないので戸惑います。

ただ文学作品ではないので、単語を検索しながら読んでいけるレベルです。

当ブログに、モールの応力円解説記事あります

モールの応力円は、私も初読では概念すらつかめず苦労しました。
できるだけわかりやすく書いていますので、苦戦している方はぜひご覧ください。

熱工学

 わかりやすい機械教室シリーズです。良書です。
解説も易しく豊富で、問題も多めです。過去問題の類題も多い。
とっつきやすいです。反面、文章が多いので疲れるかもしれませんがじっくりよむと理解の助けになるので、個人的にはよかったです。

 伝熱に関しては、この本です。
先程紹介した「わかりやすい機械教室」は伝熱工学がカバーされていません。
伝熱工学、たいていの本は計算ばかりで嫌になりました。
しかしこの本は(もちろん計算もありますが)概念の解説、図解と簡単な例題が用意されているので、何とか放棄せずに済みました。

熱力学のドリル。
単元の冒頭に公式など簡単な解説もあり、例題の解答は比較的丁寧でわかりやすい。
過去問で悩んだら、たいていは類題がこの本に載ってます。

流体工学

流体工学は、3級とそこまで難易度の差は感じませんでした。

3級でも使った本です。解説も易しく豊富で、掲載問題も沢山。過去問題の類題も多い。

解説記事

工業材料

個人的には、この科目は四大力学系の計算科目より大変でした。
覚えてないと一切解けません。

3級でも同一本紹介しましたが、とても楽しい本ですよ。
大判でビジュアルで、鉄-炭素系平衡状態図なんかも見る気がおきます。
不足分は、過去問のキーワードを拾ってネット検索すれば資料が入手できます。

私はエバーノートにこの本やネットの情報を貼り付けて、スクラップブックのように勉強していました。
工作法にスクリーンショットを載せています。

工作法

この分野、工業材料と同じく個人的には難しく感じます。

四大力学系と違い計算は無いけど、知識が無いとあてずっぽうでは一切解けませんので。
あやふやな事はネットで調べて、リストアップしてエバーノートに記録していました。

私のエバーノートのスクリーンショットを貼っておきます。

エバーノートでの解法ノート例

こんな感じで、材料の特性や工作法などを調べてエクセル表にまとめ、画像として貼り付けています。

メカトロニクス分野

私が受験した頃は「制御工学」としての科目だけでしたが、最近は「メカトロニクス分野」として出題されています。制御工学や、デジタル制御などが出題科目になっています。

▲ 工業製品に使われている技術や、機構や伝動技術の基礎、電子要素、シーケンス制御、フィードバック制御について解説されています。
メカトロニクスは普段の業務で関りが無いとなかなか知る機会がないので、この本を読んでおくと、俯瞰的に学べて頭に引出が出来ます。
本書によって概要を知り、深く知りたい内容が出来たら、別途各分野の専門書やメーカーサイトなどで情報収集すれば効率が良いと思います。

▲ 3級では苦手すぎて捨てましたけど、2級ではそこそこ勉強しました。
付け焼刃でも、頭の片隅にあることで以後の業務にも役立っています。
苦手な人も、この本で制御の概念だけでも読んでおいて損はありません。
用語を問う問題も出題される事ありますので。

環境・安全

雰囲気としては、技術士一次試験の適性科目に似ています。
機械設計技術者試験の対策本だけでは足りない場合、技術士一次試験の当該分野をさっと勉強するのも手だと思います。

これも、昨今のニュースに気を配りつつ過去問のキーワードを拾って、エバーノートなどスマホにまとめておきましょう。

応用・総合

この科目は、今までの個別科目の集大成です。
基本的には、個別科目の知識で問題は解けます。
ただ、追加で少しさらっておくべき項目もあります。

追加でやっておいてほうが良いこと

  • 構造力学
  • 空圧回路
建築の構造力学

建築の構造力学も少しかじっておいたほうが良いです。

たまに架台の強度を問うような問題が出ています。

過去問の解答をみて出てきた言葉、「水平力」「垂直力」「地震係数」にとまどいました。今までの材料力学テキストに出てきてたっけ・・・?
材料力学の本だと、トラスやラーメンにはあまりページが割かれておらず解説も簡素で物凄く難しく感じます。

が!建築用の本なら流石いろいろと揃っています。絶対そっちの方がわかりやすいです。
機械学生用の材料力学テキストでウンウンと悩んだ後だったので、とてもわかり易く感じました。

使いやすい問題集もあります。

建築科用なので、専門的すぎる箇所は読み飛ばせばいいです。
機械学生用の材料力学テキストを読むよりは、読みやすく理解も速いハズです。

エア回路

空気圧回路を簡単に書くような問題もでています。
普段エアシリンダを使わないなら、戸惑うかもしれません。

本で基本を流し読みしつつメーカーのカタログ(CKDなど)を見て基本回路を押さえておくように対策しました。

さいごに

3級を取得したなら、ぜひ2級も取ると楽しいですよ。
3級で慌てて流してしまった分野も、2級で改めて勉強するとすっと頭に入ってきます。
頭の体操になりますし、こういう試験でもない限り集中して勉強する機会がなかなかありません。

試験で集中した後の疲れ、すごく心地よくて好きです。

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解説記事
主に機械系の科目をチュートリアル風に解説した記事や、技術系のツールの使い方などを書いています。

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