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技能検定(機械製図CAD作業)の実技対策は、3つに分解できます。【苦戦している人へ】

技能検定(機械製図)

「技能検定(機械製図CAD作業)になかなか受からなくて焦る。どうすれば?」という質問を頂いたので、対策方法をまとめました。
落ち着いて切り分けて対策すれば、合格が現実的にみえてきます。

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この記事の対象

この記事は、下記のような方に向けて書きました。

受けたことがあるが、不合格でうんざりしている

初めて受験を考えているが、自信がないし何から手を付ければ……?

なお、級は技能検定(機械製図CAD作業)2級が前提です。
但し3級も試験形式はほぼ同じなので、参考にして頂けると思います。

※ 試験の流れや情報は、関連記事をご覧ください。

実技対策は、3つに分解できる

実技試験の内容は、一言で言うと「組立図から指定された部品の部品図を作成する事」です。

A2サイズの紙に印刷された組立図が配布され、それを読み取ってCADで部品図を描く試験です。

これを具体的な作業工程にすると、下記の3つに分解できます。

  1. 読図
  2. CADにトレース
  3. 寸法記入

どれかに苦手な引っ掛かりはありませんか?
例えば「そういえば読図は得意だけど、CAD操作が追い付かなくて時間切れになるなあ」など。

それを重点的につぶしていきましょう。

では、それぞれの項目について説明する前に、効率の良い総合訓練の方法について書きます。

総合的な最強訓練方法は、解答図をトレースすること

先ほど3つ挙げましたが、中にはこんな風に思う方がおられるかもしれません。

全部苦手。対策に時間かかりそうでしんどい……

確かに全部苦手なら、一つ一つ分けて対策するのは時間がかかり大変です。
そんな場合の最強総合訓練法は、解答図のトレースです。

課題図から部品を拾い出すのではありません。いきなり解答図を見て、試験で使うCADでトレースするのです。

  • 解答図の入手については、最後の項目をご覧ください。

ぶっちゃけ、苦手項目が多いなら、課題を見て悩んでも時間がもったいないです。私がそうでした。試験には既定のルールがあるので、手本パターンを自分に叩き込んだ方が効率的です。

そして、CADのトレースは試験への生きた訓練になります。CAD操作に習熟している人以外は、トレースするだけでも、かなり時間がかかりますよ。集中力も切れますし。

解答図をトレースする効果
  • 試験で出る部品の形状に慣れられる。
  • CAD操作の訓練になる(最初はトレースだけでも時間が掛るのを実感するはず)
  • 寸法の入れ方に馴染むことができる。


さて、ここからは冒頭で分解した読図・CAD・寸法入れ、それぞれの対策を深堀していきます。

1. 読図 ― 三面図から立体を想像しよう

まずは組立図を見て、対象となる部品のカタチを想像する工程です。

この工程で、まず苦戦される方が多いのではないでしょうか?
試験で出題される部品は鋳物がほとんどですが、見慣れないと形状も複雑で分かり辛いのは仕方ありません。

ぶっちゃけ最初から100%理解する必要はありません
完全に把握してから・・・と思っていると手が止まって時間のロスになります。

まずは最低限外形形状を把握し、細部を拾っていけば良いのです。

「読図は才能がないとダメなのか」と思われるかもしれませんが、大丈夫。
図面から立体を想像するのが苦手なのは、現物(立体)を見慣れていないだけです。 訓練でなんとかなります。

訓練方法1:時間をたっぷりかけて眺める

試験だと制限時間がありますから、どうしても焦るし難しく感じます。
しかし、時間に余裕がある状態で見れば、そうでもありません。
過去問題(課題図の組図と解答図の部品図)をじっくり、時間をかけて眺めて下さい。
総合対策項目で挙げたように解答図をトレースしてから、組図を見比べると良いです。

「こんなものか」となんとなくわかってくる瞬間がありますよ。

訓練方法2:自分で立体を作って眺める

上記の訓練方法1で眺めても、「やっぱ無理、分かり辛い」という方は。

その場合のオススメは、「過去問を3D化して、眺める事」です。
その訓練には、3D CADがもってこいです。現代のツールを活用しましょう。

とはいえ3D CADを使ったことが無い方は抵抗があるかもしれません。
いきなり設計にフル活用せずとも、勉強用に、個人的に導入するととても面白いです。
別記事に操作のあらましを書いてみたので、ご覧ください。

3D化する過程で、立体に慣れてくる

3DCADをPCにインストールしたら、過去問の解答図を、3D化して下さい。

3D化は、対象の部品だけでOK。
課題図(組立図)をすべて3D化する必要はありません。

3D CADで過去問題を自分で立体化すると、「二次元図を懸命に考えながら見る」という行為が自然にできます。
ぶっちゃけ2D図だけをじっと見るのは面倒で飽きるので、3D化は丁度良い動機付けになりますよ。おすすめです。

後は「二次元図」と「立体(実際のカタチ)」を見比べるのを繰り返せば良いのです。
段々と、頭の中でパターン化されて二次元図から立体を想像することに慣れてきます。

いきなり過去問は難しい……という人は

「どうしても過去問レベルの二次元図からの立体想像が難しい」
……という人もいると思います。

それなら、別の市販の本で立体化の練習をすると良いです。

▲ 三面図から立体を描く演習問題が掲載されています。
手描きで書く指示がありますが、これをCADで描いてみればよいです。速く学習が進みます。
ただし良い本だけど、量が少ないのでちょっと残念。
でも一冊仕上げやすいので、サクっと使えるワークブックです。

▲ 足りない投影図を想像したり、手書きで立体図を描くポンチ絵課題などを通して「立体⇔二次元」について頭の体操ができます。

準備はいずれか一冊で十分だと思います。準備はそこそこにして実戦に取り組みましょう。
(資格試験は過去問に慣れるのが一番の近道なので)

2. CADにトレース ― 練習でスピードアップ

次に、CADにトレースする工程です。
「CADだしトレース作業なら簡単」と舐めてはいけません。

具体的な訓練法は、 総合対策項目で挙げたように解答図をトレースするのが一番です。
最初は、トレースだけでも時間が一杯いっぱいになるかもしれません。なにせ疲れますからね。

試験で(手描きではなく)CADを使うなら楽、と思われるかもしれません。
しかし随所でちょっとでも操作にもたつくと、累積して時間切れを誘発します。
技能検定の実技は、不合格要因として「時間切れ」は珍しくありません(私的感覚ですが)。

AutoCADの操作には慣れているつもりの私でも、試験時間はかなり短く感じました。(集中力も切れますしね)

というわけで、CAD(たいていの試験会場はAutoCADだと思います)の操作に少しでも迷いがある人は時間を設けて習熟して下さい。

▼関連
技能検定まとめ記事 ―「自宅にCADを入れよう」

AutoCADが捗るコマンド・ショートカット。玄人っぽく見せよう!

3.寸法記入 ― 眺めて慣れよう

部品形状をCADでトレースしたら、あとは寸法記入工程です。
「どういれたら良いかわからない、苦手」という人もいるでしょう。

対策としては、過去問の解答図のお手本を眺め、入れ方のパターンを自分なりに理解して下さい。

そして、自分でゼロから寸法を入れてみて下さい。わからなければ、解答図を見る。
これを繰り返すと、パターンが掴めてくるはずです。

JISのルールも覚えよう

寸法記入時は、JISのルールを頭に叩き込んで厳守してください。

たとえば表面性状指示、業務では三角記号のまま、という現場もあるかと思います。
しかし、試験ではきっちりと新しいJISで描く必要があります。

……と書くと膨大な暗記が必要に思えますが、大丈夫です。
試験で使うJISのルールは限られています。過去問でよく使うものを押さえれば、OK。

▼ この本は、前半がJISのルールブックになっています。
便覧より手軽で便利ですよ。また、この本には一年分の過去問の解答例図が付録として収録されています。

昔の過去問は、この書籍の出版社に連絡すれば購入できます。
詳細は下記ページで。

▼ 三年分の学科と 一年分の実技の問題及び解答図が収録されています。

▼手前味噌ですが、こんな記事も書いています。

過去問はどうやって入手する?

さて、実技受験対策の要となる過去問(課題図および解答図)ですが、入手方法は色々あります。
まず、市販本が販売されています。
また、都道府県によっては代金を払えば入手できることもあります。

詳しくは、別記事に掲載しています。

▼ なお、一年分だけなら、公式サイトで閲覧可能です。

課題図および、解答図も見られます(2019/12/15現在)。
一年分だけなので、随時チェックして下さい。※機械製図は、後期試験の中に入っています。

まとめ

長々と書きましたので、最後にまとめます。

  • 対策は、3つに分解できる。苦手をつぶそう。
  • 全部苦手なら、問題を解こうとしないで、解答図を入手してトレース
    形状に慣れられるし操作の練習にもなる。
  • 過去問の課題図と解答図は絶対手に入れよう。3D化したり眺めたり色々フル活用できる

苦手でも工夫で対策できます!焦らずに、頑張っていきましょう!

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試験の概要

実技試験の流れ

技能検定(機械製図CAD作業)
技能検定 機械・プラント製図(機械製図CAD作業)2級の受験対策やコツを、記事に綴っています。 私の経験から、受験者の視点で書いています。
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