機械製図技能検定2級、実技作業の流れを紹介します。
CADで受けると4時間の作業時間があるけど、スムーズに進めないと瞬く間に時間が過ぎていきます。
別途動画でも説明しています
動画を作ってみました。

0. 機械製図技能検定の趣旨を把握
機械製図技能検定でやることは、シンプル。
「組立図から指定された部品の部品図を書く」。いわゆるバラシです。
1級ならこれに寸法を計算して検討したり、という課題も入りますが、2級までは組立図の通りバラせばよいです。
1. 準備作業。CADの設定をする
試験開始前に、CADの「練習時間」が与えられると思います。
その時間を有効活用しましょう。
過去記事にまとめています。
できるだけ自分の使いやすいように整えると、気持ちよく作業がでます。

2. 問題文の「部品図作成要領」を読む
いざ試験が始まったら一刻も早く図面を描きたくなるが、ぐっと我慢。
問題文のうち、「部品図作成要領」を読む。
そこに用紙のサイズや図枠の仕様が書かれているので、チェック。
ちなみに、2級ならA2指定。A2は420×594です。
3. 図枠をかく
まずは図枠や表題欄をかきます。
紙のサイズや書式は課題文で指定されているので、しっかりと読んで反映して下さい。
表題欄の例。普通公差指示など、課題文をきっちり反映させること。
4. 課題図に、問題文の「指示事項」を書き込む
問題文の「指示事項」にやるべきことが書かれている。
文章でツラツラと書かれているので、課題図と見比べながらだと効率が悪い。
課題図だけを見ながら作業できるよう、指示項目を図面に書き込むと作業性が上がる。
こんな感じ
走り書きだが、問題文の指示事項は網羅している。
縮尺、レイアウト、投影面、穴サイズなど。
これだけ書いていると、問題文をほとんど見ないで済むはず。
気を付けること
何をバラすのか?
課題図は組立図なので、風船が沢山上げられている。
すべてバラす必要はない。
どの番号の部品図を作るのか、問題文から確認する。
どうレイアウトするのか?
勝手なオリジナル図面では失格になる。
投影面の配置など、レイアウトは厳密に決められている。
こまめな保存
万が一フリーズしてデータが飛んだ、なんてことになったら大変。
こまめに上書き保存しておこう。
最終的に試験データは、配布されたUSBメモリに 入れて提出する。
5. 読図スタート。バラす部品をなぞっていく
やっと読図をスタートできる。
対象部品を、ペンでなぞっていこう。
複雑な部品でも、外形をまずなぞっていくと形の理解もできていく。
普通の蛍光ペンでも良いが、試験ではフリクションタイプがオススメ。
間違えても消せるから、混乱しなくて済む。
色鉛筆か、蛍光ペン。各自使いやすい方を選んでほしい。(私は色鉛筆派)
6. トレース→部品図作成していく
部品のカタチが明確になったら、CADへトレースしていく。
まずは外形を拾って図面レイアウトを完成させよう。
こんな感じで、外側の投影図やデカブツを先に書いて、レイアウトしておく。
紙の図面をスケールで採寸しながらなので、思ったより時間がかかる。
ちなみに採寸には、三角スケールよりも三角定規がおすすめだ。
詳しくは、別記事に書いた。

後に細部の形状も拾えたら、寸法を入れ完成だ。
7. 印刷方法も確認しておこう
実際の試験では、制限時間終了後、確認用にA3で印刷して提出する。
(データはUSBメモリに入れて提出)
普段から仕事で使ってたら問題ないだろうけど、印刷方法もきちんと事前に確認しておこう。
AutoCADはコマンドを覚えておくと速くなる
課題図から採寸してトレースするのに、かなり時間と体力を使う。
疲れるししんどい。
寸法を入れる工程までにエネルギーを残しておくためにも、CADを効率よく使えるようにしておこう。
よく使う作図コマンドは、短縮コマンド(エイリアス)で覚えておけば時間短縮になる。
おすすめコマンド一覧は、以前、記事に書いた。

過去問で練習して、手順を定着させよう
この記事で書いた流れは、ぜひ過去問を解きながら実践してみてほしい。
▼ 平成27、28、29年度の実技課題と解答例が掲載
▼ 三年分の学科と、一年分の実技の問題及び解答図が収録されている。
参考 出版社の詳細ページ
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