技能検定2級の実技で頻出する製図ルールをまとめました。
普段の業務では忘れても本を見られますが、試験では覚えておく必要があります。
直前にぱっと眺めて確認できるように、チートシート(あんちょこ)風に説明画像を作りました。
この記事は、リクエスト箱へ頂いた投稿を盛り込んで書きました。
ネジの表記
ネジの指示は通常業務でも入れる機会が多々あるかと思います。
しかし試験ではきっちりJISルールに沿う必要があるので、私はおさらいが必要でした。普段等級や巻き方向まで入れる事が少ないと、いざ試験になるとアタフタしてしまいます。
- ネジの端面図は、谷側の円を約1/4カットするのを忘れないで下さい。
- 台形ネジは、一般メートルネジと呼び方が少し違います。過去問見る限りは台形ネジの出番はなさそうですが、私は念のため覚えて臨みました。
- ネジの種類を表す記号は、ざっと以下のモノくらいは暗記しておく。
- メートルネジ:M
- 管用テーパねじ、 テーパおねじ:R
- 管用テーパねじ、 テーパめねじ:Rc
- 管用テーパねじ、平行めねじ:Rp
- 管用平行ねじ:G
▼ よく使うが忘れがちなねじ表記をまとめました。
穴の表記
皿やザグリ穴も、試験で出る可能性があります。
記号は、AutoCADだったら マルチテキスト入力画面で「右クリック」→「シンボル」→「その他」をクリック。「AMGDT」というフォントがあれば、そこにザグリや皿記号が入っています。
幾何公差の表記
過去問を見ると、幾何公差は毎年出題されています。
私は受験当時幾何公差はあまり入れる機会がなかったので、試験のために覚えて臨みました。
- 幾何特性の記号と意味は暗記しておく
- データムや公差の指示線の位置で対象が変わるので注意する。(矢印の指す面なのか、中心面・軸なのか)
▼ 適当な形状で、幾何公差の記入例を書いてみました。
こういう単純形状と一緒に覚えておけば、複数のルールを丸ごと覚えられて忘れにくいと思います。
表面性状
表面性状は、2種類の指示が必要になります。図面全体(部品の大部分)への指示と、部品の個別面への指示です。
- 表面性状パラメータ記号とその値の間は、半角スペースを2つ分開ける。
(例:Ra 25)※ 出典:JIS B 0031:2003 項目5.2 a)より - とにかく問題文をよく読むこと。図示記号やパラメータ、値の指示が出されています。
それぞれの代表的な入れ方を、図にしてみました。
※加工方法や筋目方向は、指示が無ければ入れないで下さい。
はめあい
技能検定2級では指示があるはずなので、自分ではめあいの等級(穴と軸の組み合わせ)まで考えることはないと思います。 (※断言はできませんが)
ただ、覚えておいて損は無いので軽く書いておきます。
- 課題図、問題文を要チェックのこと。指示があれば必ず従う。
- 指示が無ければ、 軸の挿入部など重要な穴の公差は、H7
- 念のため、すきまばめ、しまりばめの代表的な組み合わせをざっと覚えておく。
- H8/f7 … すきまばめ。可動
- H7/g6 … すきまばめ。きつめ。可動
- H7/p6 … しまりばめ。圧入レベル。
製図規格の確認方法
ネットで閲覧
▼ JISの規格は、無料でネット閲覧・確認が可能です。印刷はできないので、ご注意下さい。
規格番号や、キーワードで検索ができます。
書籍で確認
▼ 手元に置いて確認するなら、便覧です。すでにお持ちの方もおられると思いますが、何はともあれ欠かせない本ですね。普段から頻繁に使っています。
製図規則はもちろんのこと、数学公式や各種機械要素の設計計算方法まで掲載されているので業務の相棒的存在。強いて難点を言えば、持ち運ぶには少々重い事です。
▼ こちらは、製図に特化した便覧です。出版社のサイトによると巻末付録に「JISにもとづく標準図集」が収録されています。私は少し古い「標準機械製図集第7版」を持っており、図面の綺麗なお手本なので、再三見返しています。手本と規格が一緒になっていると、すぐに見比べて使い方を学べるのが良いです。
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▼別の資格試験用のまとめです。溶接記号や歯車製図のポイントなどの覚書です。
実技では過去問を見る限りは2級で溶接記号を書くことはなさそうですが、学科で問われる可能性があるので、覚えておいて損はありません。