機械製図技能検定2級の実技試験は、まっさらな状態から図面を描いていきます。
テンプレがもらえる訳ではありません。
なお、試験では開始前に練習時間(準備時間)が与えられます。
準備することを意識して、これを有効活用しましょう。
動画もあります
準備~試験開始までの流れを、説明動画にしました。
試験開始前の「練習時間」に、CADのカスタマイズを済ませておこう
本試験が始まる前に、30分程度の「練習時間」(準備時間)が設けられます。
そこで下記1~5を済ませてしまえば、試験開始後に製図に集中できます。
あくまでCADの調整や慣らし時間。
図枠の作図や印刷はダメなので注意して下さい。
快適に作図できるよう、準備をルーチン化しておこう
練習時間にきちんと準備できると、試験開始後の製図が快適になります。
鋳物の図面が多くて、普段業務で慣れてる人以外は読図に苦労します。
さらにCADの設定に手間取って調整しながらでは、ストレスも半端ありません。
では、以下におすすめの準備項目の例を書いておきます。
おすすめの準備項目例
1. 寸法設定
AutoCADの場合、デフォルトだとすごく見辛いしJISではない事が多い。
並列寸法の間隔や矢印形状など、整えておきます。
2. 文字の設定
shxのビッグフォントを指定しておきましょう。
extfont.shxがおすすめです。
また、基本の文字高さはJISで規定されている高さ<3.5mm>を採用しておきました。
ちなみに、文字高さはJISで3.5、5、7、10mmと規定されています。
(JIS B 0001の中の7.1.2にて)
3. 線種の設定は、レイヤー画面で済ませる
線種別にレイヤーを設けると、線種と太さと色が一元管理できて効率が良いです。
作図の際は、線種ごとにレイヤーを切り替えて描きます。
あくまで私個人の場合なので、各自やりやすい方法を模索して下さい。
線の太さは、試験なので無難に。JISで規定されている太さを採用しておきましょう。
私の設定はこんな感じ。
0.13、0.18、0.35mmあたりを使ってます。
外形線、図枠 | 0.35mm |
細い実線、かくれ線、中心線 | 0.18mm |
寸法線 | 0.13mm |
ちなみに、線の太さはJISで0.13、0.18、0.25、0.35、0.5、0.7、1、1.4、2mmと規定されています。(JIS B 0001の中の6.1にて)
4. 各種記号
表面粗さ記号
ちゃちゃっと描いておきましょう。
私は括弧も書いておきました。
基本の一個書いておけば、あとは試験後にコピペして文字を変えれば対応できるかと思います。
ちなみに、表面粗さの形は、JISで規定されています。(JIS B 0031の中の附属書Aにて)
穴記号
穴記号は、環境によってはフォントとして登録されている可能性があります。
マルチテキスト入力画面で「右クリック」→「シンボル」→「その他」をクリック。
「AMGDT」というフォントがあれば、そこにザグリや皿記号が入っています。
見当たらなかったら、諦めて描くしかありません。
5. UIのカスタマイズ!
いまどきのAutoCADはリボンスタイルがデフォルト。
私はこれが大嫌いなので、そそくさとクラシックスタイルにします。
クラシックスタイルの方が画面も広いし、何より落ち着くので。
まぁこれは個人の好みです。
新しいバージョンのAutocadではクラシックスタイルへの変更に手間がかかります。
方法を、別途記事にしました。
おすすめ参考書
製図全般
製図の本って、たいていJISを掲載しただけのイメージがあった。
しかしこの本は、実践的でわかりやすい。
JISだけでなく著者の言葉による解説もあるから、とてもためになる。
改訂前からこの本のお世話になっている。
試験のためだけではなく、仕事にも役立つ本。
試験テキスト
▲2018/7/25、 第2版が出た。
初版との違いは、収録されている過去問題。
第2版には、平成27年~29年度の問題が収録されている。(初版は、26・27年度だった)あとは、初版にあった「加工法の基礎知識」が無くなった。
しかし別書籍や資料で補完できるので、これから始める人は第2版で良いと思う。
▲ 三年分の学科と、一年分の実技の問題及び解答図が収録されている。解説は無いが、サクっと勉強するのには使いやすい。参考 出版社の詳細ページ
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