機械製図技能検定3級の対策作戦を、まとめました。
どんな試験?
受験資格
受験資格は基本的には無い筈です。受験資格の表には、実務年数が0年と書かれています。
ただし、但し書きを読むと「※検定職種に関し実務の経験を有する者について、受検資格を認めることとする」 とあります。
断言はできないので、念のためご自分の受験地で問い合わせてみて下さい。
また、3級は今後2級を受けるためのパスポートになります。
ちなみに直接2級を受検するには、下記いずれかの条件を満たす必要があります。
- 3級取得者
- 所定の教育機関出ている
- 2年の実務経験 など
詳しくはこちら
試験内容
特徴を下記に挙げます。
- 正式名称は、「検定職種:機械・プラント製図」、「作業名:機械製図CAD作業」。
- 技能検定は、厚生労働省主催の公的資格。
試験問題等の作成については中央職業能力開発協会が、試験の実施については各都道府県がそれぞれ行うこととされています。
試験会場は、各都道府県のポリテクセンターなど職業訓練所系の施設です。 - 1年1回の実施。
出願期間が10月上旬、学科試験が1月末、実技試験が1月末~2月上旬に実施されます。 - 実技が本丸の試験です。公式サイトから試験内容の引用します。
要するに、いわゆるバラシです。めちゃ実務的で訓練にぴったりです。3級 次に掲げる製作等作業試験を行う。実技試験問題及び課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図をCADにより作成する。
試験時間 3時間 - CADと手描きのどちらかを選べます。
私はCAD派なので、CADをうける前提で話をしています。
手描きで受ける人は、実施県が少なくなりますのでご注意を。
3級が実施される都道府県か、確認が必要です
1、2級とは、実施する都道府県が一緒ではありません。
参考に、令和2年度 3級CAD作業の未実施県を下記に挙げます。
- 岩手県
- 福島県
- 長野県
- 大阪府
- 奈良県
- 鳥取県
- 沖縄県
出典:令和2年度(後期)実施公示一覧 │ 中央職業能力開発協会【PDF】
(2020/9/3アクセス)より3級CAD作業未実施県を抽出
また来年度はどうなるかわからないので、都度チェックが必要です。
対策の方針
基本的に、2級の記事で書いた方針と一緒です。
学科も実技も過去問に注力してください。
試験対策 ― 実技編
面倒ですが、練習できる環境をまずは自分で作らねばなりません。
その1 過去問と解答図を入手する
一年分だけなら、公式サイトで閲覧できる
課題図および、解答図も見られます。
ただし2019/9/13現在では一年分だけなので、すぐに受験する予定がなくても、随時チェックを。
職業能力開発協会で貰える場合があります。
都道府県によっては、コピー代を払えばコピー可能です。
対応はまちまちなので、ご自身の近隣の協会に電話やメールで聞いてみて下さい。
職能協会で貰えなかったら・・・
1冊にすべてまとまっているような本は無いのが現状です。
- 平成25年度 3級なら・・
この本に平成25年度3級の課題図・解答図・解説が収録されています。
実際の試験の課題図はA3なので、拡大コピーすると良いです。
- その他の年度
中央職能協会から、書籍が発行されています。
機械製図以外の職種も収録されているので、ご注意下さい。
ホムペをみると第2集、に製図が入っているようです。
その2 CADを調達する
いろいろ選択肢があります。
しっかり計画を立てて、集中的にAutoCADで操作を確認しておく、と出費が抑えられます。
ただ、都道府県によって設備が違う場合もありますから、念のためAutoCADで受けられるかはチェックしておいてください。
無償CADを使う
2019/4/5追記:DraftSight、無償版提供が終了
DraftSightの無償版は、提供が終了してしまいました。
現在使用中の方は、2019/12/31まで使用可。新規DLはできません。
詳しくは、公式サイトにてご確認ください。
AutoCADの体験版をインストールする
30日間使うことができます。
過去問や資料などすべて揃えてから、計画的に練習したほうが良いです。
コマンドは積極的に使って、時間の短縮に努めて下さい。
短期間だけ、AutoCAD を購入する
AutoCADは、サブスクリプション制です。
サブスクリプションとは、昔のように「買い切り」ではなくて使用期間分だけ料金を払う形です。
これを利用して、試験前1か月、もしくは1年だけAutoCAD のライセンスを得るという方法もあります。
▼ 購入方法は別記事で紹介しています。
なお、2021年からはLTという名前は無くなり、AutoCAD か AutoCAD Plusの二種類になりました。
もし練習に使うなら、AutoCADがおすすめです。これは従来のLTにあたります。
▼ 初めてAutoCAD LTを使われる方へ、入門記事を書きました。
その3 練習開始
試験の流れや、コツなどは2級の記事が参考になるかと思います。
まずは一年分に時間をかけてもOKなので、マイペースでじっくり課題図に向き合って部品図を完成させてみて下さい。
おすすめ参考書
- 製図については、こんな書籍があります。
傍らに置いて、過去問をこなしながら確認するようにするのが良いです。
- また製図のJISの閲覧のみなら、ホームページで無料で見られます。
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
JIS B 0001 です。 - 組立図から部品図を作成していく上での、細かい手順が解説されています。
また、この本に平成25年度3級の課題図・解答図・解説が収録されています。
試験対策 ― 学科編
学科はまだ実技に比べると準備しやすいと思います。
○×マルバツの真偽問題が、30問出題されます。
過去問を数年さらうと何とかなるでしょう。
こちらも、職能協会で過去問が貰えるかもしれません。
貰えなかったら、本が発行されています。
中央職能協会から、書籍が発行されています。
機械製図以外の職種も収録されているので、ご注意ください。
下記のWEBサイトをみると第2集、に機械・プラント製図が入っているようです。
さいごに
2級の受験資格があるなら、自信が無くても2級から受けた方が良いと思います。
(3級は書籍が少なく準備がやり辛いので)
ただ、3級から受けるのもありです。
2級は冒頭にも書きましたが2年の実務経験が必要なので、待ってられない人も居られるでしょう。
ただ準備し辛いとはいえ3級も過去問をゲットし環境さえ整えれば恐れるに足りず、です。
3級と2級の違いは、実施する都道府県の違いと試験問題(制限時間が1時間違ったり)ぐらいです。
2級の過去記事も是非読んで頂ければ幸いです