Autodesk Inventor には「iLogic」という機能があります。
操作の自動化などができて、強力に業務効率を上げられます。
但しコードを書く必要があるので、プログラミングが苦手だと避けてしまいがちです。
しかし複雑なカスタマイズでなくとも、普段の業務に機能を「ちょい足し」するレベルでも重宝しますよ。
そこで、簡単な使用例を紹介します。
「へ~iLogicはこんな風に使ってんだ」という雰囲気をつかんで頂ければ、と思います。
iLogicとは?
一言で言うと、プログラムを書いてAutodesk Inventorをカスタマイズする機能です。
コードはVisual Basicで書けるので、エクセルをVBAでカスタマイズしてる人なら、抵抗が無いでしょう。
もしその経験が無くても、VBAならネットや書店に豊富に資料があるので勉強の負担は少ないです。
詳細な仕様説明は、公式サイトのヘルプをご覧ください。
使用例:図面上で、部品のバリエーションを切り替えるフォームを作る
環境
私の環境は、Autodesk Inventor 2020 Windows10 64bitです。
こんな事をします
gifアニメをご覧ください。
ipartを利用して作った部品のバリエーションを、ドロップダウンリストで切り替えられるようにしています。
標準の機能で切り替えようとすると、逐一ビューを右クリックしてメンバ(バリエーション)を選択せねばなりませんので、手間がかかります。
それをilogicで少しだけ改善しよう!というわけです。
以下に、おおまかな手順を説明します。
1. ipartを設定した部品ファイルを用意する
ipartは、部品の寸法違いのバリエーションを生成できる機能です。
詳しくは、別記事に綴りました。
この例では、バリエーションに下記の名前をつけました。
- Sample1
- Sample2
- Sample3
2. 図面に部品を読み込んで、寸法を入れる
3. 「パラメーター」で、バリエーションの名前のリストを作る
管理タブ→「パラメータ」をクリックします。
左下から「テキストを追加」をクリックして、テキスト行を設けます。計算式にはマルチバリューを作成を選択。
情報は、下記の通り入力しておきます。
バリエーションの名前一覧は、部品ファイルを開けばコピーできます。
- パラメーター名:member
- 計算式:バリエーションの名前一覧をコピペ
4. ウィンドウを作る
バリエーションの名前を選択できるように、選択ウィンドウを作ります。
管理タブ→「iLogic」→「フォーム」をクリックすると、設定画面がでてきます。
手順3で作った「member」というパラメーターを、ドラッグします。
メニューらしきものはできましたが、選択しても何も起こりません。
何故ならば、今の状態は「手順3.」で作ったmemberという名前のリストを、表示しているだけだからです。
4. iLogicでルールを作る(プログラムのコードを書く)
そこで、コードを書きます。
管理タブ→「iLogic」→「ルールを追加」をクリック。
出てきた画面に、コードを書きます。
「memberというパラメータで選択されている名前を、アクティブなビューとして、図面上で表示する」というプログラムを書きました。
下記Autodeskのドキュメントを参考にしました。
6.できあがり
iLogicのプログラムに困ったら?英語でググればOK!
ilogicのヘルプドキュメントはぶっちゃけ分かりづらいです。
ヘルプをじっくり読むよりも、なにか詰まったら、まずは英語で検索するのが一番の近道です。
例えば、「複数のXXを一括変更するプログラムを書きたいがわからんなー」という場合。
「multiple ilogic change xx」あたりのキーワードでgoogle検索すれば、Autodeskのフォーラムやブログが複数ひっかかりヒントになります。
英語が得意でなくても、大丈夫です。
ブラウザがChromeだったら翻訳アドインを入れておけばさっと翻訳にかけて、大意をざっと把握することができます。
動画も作りました
細かい操作の様子は、動画の方がわかりやすいと思います。
Youtubeのページには説明欄に目次を設けています。
さいごに
何をどうカスタマイズするかは、業務により千差万別です。
ドンピシャの情報はなかなか得られませんが、少しずつ挑戦して成功すると達成感がありますね。