海外ドラマでたまに見る、白い中華料理のお持ち帰り容器。
あれをFusion360で検討して、ミニチュアを作ってみました。
構造の検討から展開図作成まで、Fusion360での過程を紹介します。
作ったもの
海外ドラマでたまに見る、白い中華料理のお持ち帰り容器。
見た目はソレっぽく出来た気がしますw
なお、あくまで見た目を似せただけなので、ホンモノの展開図と同一ではありません。
1.パッチ(サーフェス)で外観を描く
まずは、「どんな見た目にしたいか」を第一に考えます。
パッチ(サーフェス)機能でどんどん、形にしていきます。
展開図がどうとかは、まだ全く考えなくてOKです。
こうすると、直感的に検討が進められます。
2.厚み付けをしながら、分割構造を考える
外観が決まったら、次は分割構造を考えます。
まだ細かいフランジ(糊代)は考えなくて良いです。
厚み付けをしていくと、板厚を加味した検討ができます。
今回は薄いので気にしなくてもよいのですが、板金や段ボール、厚紙の際は考慮しないといけません。
ただし、テキトーでOK。
ここで厚み付けしたbodyは、あくまで検討用です。後々非表示にしてしまいます。
構造を忘れたら、都度表示して確認します。
今回は、3つの部品に分割することにしました。
3.シートメタルでフランジを付けていく
おおまかな構造が決まってきました。
ここでやっと、「シートメタル作業空間」で板金化していきます。
まず板厚とK係数を設定
「修正」→「シートメタル規則」で板厚とK係数を設定します。
今回は普通の紙なので、板厚 0.144mm、
K係数は、半分として0.5に設定しました。
▼ちなみに、この紙を使いました。
コピー用紙よりは厚く、ハガキほどは分厚くないので扱いやすいです。
K係数とは、板厚と中立線との比です。
書いた板金データを展開する際の寸法に関わってきます。
このサイトがわかりやすいです。(英語)
ベースになる面をスケッチ→板金化
始めに書いたサーフェスを表示して、ベースになる面をクリック。
「スケッチ」→「プロジェクト」でサーフェス形状を拾う。
「作成」→「フランジ」でスケッチをクリックして、板金化。
フランジをかいていく
糊代をかんがえて、フランジを作っていきます。
フランジが干渉する箇所は、面取りするかオフセットするかで逃げてください。
SolidworksやInventor並みに細かいことはできませんので、おおらかな気持ちですすめてください。
ミラーを使いながら、この調子で板金化をちまちま進めていきます。
4.展開して、CADデータとして保存して印刷。
「フラットパターン」で展開して、スケッチを作る。
「シートメタル」作業空間で、「修正」→「フラットパターン」を選択。
ベースとなる面をクリックしてOKを押すと、展開されます。
その状態でスケッチを作成する。
「スケッチ」→「投影」→「プロジェクト」で曲げラインや外形線を投影できます。
あとは、作ったスケッチを右クリック→「DXF形式で保存」を選択します。
するとPCのローカルフォルダに保存できます。
このヘルプページを参考にしました。
フラットパターンのDXFエクスポートはエラーで機能しない?
「フラットパターン」で展開すると、画面の上側に「DXFエクスポート」というボタンが現れます。
しかしこれを押しても、壊れたDXFが生成されてしまい、機能しませんでした。
解決策としては、上記の方法(「フラットパターン」で展開して、スケッチを作る)で対処できます。
5.順次展開して、印刷する。
現時点(2018/11/1)のFusion360では、1ファイルにつき1つのフラットパターンしか存在ができません。
複数パーツがある場合は、前のフラットパターンを消して新しく作成するのを繰り返してください。
「DXF形式で保存」したDXFは、2DCADで読み込んで印刷しました。
▼私はBricsCADという2DCADを使っています。
▼印刷した。
6.完成。あとは組み立てる
あとは、カッターで切って組み立てるだけ。
▼今回は、この紙を使いました。
コピー用紙よりは厚く、ハガキほどは分厚くないので扱いやすいです。