AutoCADが従来のAutoCAD LT価格で維持できるように。新しいAutoCADを試した感想

AutoCAD

2021年5月より、AutoCAD LTに替わる「業種別ツールセットを含まないAutoCAD」の販売が日本で開始されました。
これによりLISPや3Dが使えるAutoCADが、LTと同一価格で利用できるようになっています。
遅蒔きながらこの新しい形態のAutoCADを使い始めたので、感想を書きました。

Autodesk(オートデスク)

「新しいAutoCAD」は何が変わったのか?

冒頭にも書きましたが、2021年5月よりAutoCAD LTに替わる「業種別ツールセットを含まないAutoCAD」の販売が開始されています。
これによりLISPや3Dが使えるAutoCADが、従来のLTと同一価格で利用できるようになりました。
AutoCAD LTユーザーには、経済的に恩恵が大きいです。

更に、上位版として「AutoCAD Plus (AutoCAD including specialized toolsets)」があります。
これは「AutoCAD」に業種別ツールセットが追加されたもので、機械設計に特化した機能(シンボル集や計算機能など)を使用できます。

種類をチェック
  • AutoCAD(業種別ツールセット無し版):71,500円/1年間(2021/9/9時点)
    従来のLT価格で、AutoCADの機能が使えます。但し、業種別ツールセットはついていません。
  • AutoCAD Plus (AutoCAD including specialized toolsets) :231,000円/1年間(2021/9/9時点)
    業種別ツールセットが使えるのが利点。例えば機械設計だと標準部品や機械製図の寸法などが用意されています。

機能の詳細は、公式サイトをご覧ください

従来のLTとの違いは、AutodeskサイトのFAQが詳しいです。

AutoCADについて

AutoCAD Plus (AutoCAD Including Specialized Toolsets) について

入手方法

Autodeskのサイトで入手可能です。公式の概要サイトにアクセスし、契約期間を選んで「カートに追加」をクリックすると、手続きを進められます。

※ 利用期間の分だけ料金を支払うサブスクリプション方式です。

さて今回、「業種別ツールセットを含まないAutoCAD」を使ってみたので感想を書きます。

導入環境

  • ソフトのバージョン AutoCAD 2022 (業種別ツールセットを含まない)
  • 導入先OS Windows 10 Pro 64-bit 20H2

ソフトの操作感は、いつも通り

「新しいAutoCAD」といっても、ソフトの外観や操作方法は変わりません。
一言で言うと「LT価格でAutoCADを使えるようになった」ということなので、従来のLTユーザーだったら、違和感なく安心して使えます。

AutoCAD2022の外観
AutoCAD2022の外観

基本はリボンスタイルですが、クラシックっぽくする事も出来ます。
やり方は、別記事で説明しています。

AutoCAD2022をクラシックスタイルにした様子
AutoCAD2022をクラシックスタイルにした様子

LISPでカスタマイズが捗って、作業効率が上がる

私が注目しているのは、従来LTでは使えなかったLISPなどのプログラミング言語が使える事。
これはとても大きな変化です。「3D機能は使わないし、別にAutoCADは必要ないかも」と思っている方へ、大きな利点としておすすめしたい点です。
大量の図面の処理や、標準機能に無いことを補うのに力を発揮するからです。

過去には、LTとの違いとしてこのポイントを力説した記事を書いていました。

試しに動かしたコード

試しに、以前書いた自作LISPコードを動かしてみました。AutoCADだと自分の業務に合ったカスタマイズが手軽にできるのが良いです。

▼ 図面の一部分を、原点を指定して別ファイルに書き出すLispコード

デフォルトのWblockコマンドでは、書き出し時にワールド原点を指定することが出来ません。元図面の原点を引き継ぎます。そこで、任意に原点位置を指定できる簡易的なコードを書いたものです。

コードなど詳細は、別記事に書いています。

図面の一部分を別ファイルに書き出すLISPコード
操作の様子のgifアニメです。

Express Toolも使えて便利

AutoCADには、Express Tools というコマンド群が用意されています。 正式にサポートされている機能ではなく、好意で提供されているオマケという位置づけのようですが、あればとても役立つ機能があります。

Express Toolsのリボン
Express Toolsのリボン。メニューバーよりもリボンスタイルの方が機能を把握しやすい。

例えば「属性定義文字入りのブロックを、そのまま分解」したいとしたら。通常のExplodeで分解したら、属性文字が出てきてしまいます。

AutoCADでexplodeコマンドで属性文字を分解した様子
EXPLODEコマンドで分解。分解後は、「平プーリ」が属性名の「部品名」になる

そこで、 Express Tools のBURSTというコマンドを使えば、オモテに出ている文字をそのままに分解できるようになります。

AutoCADでBURSTコマンドで属性文字を分解した様子
BURSTコマンドで分解。「平プーリ」はそのまま分解された

AutoCAD LTでは使えなかったので、これからは利用できるのがうれしいです。

▼ Express Tools について

概要 - AutoCAD Express Tool | AutoCAD 2021 | Autodesk Knowledge Network
AutoCAD Express Tools は、AutoCAD の能力を拡張する一連の生産性向上ツールです。 概要 これらのツールは、好意で提供されているもので、正式にサポートされているわけではありません。オートデスクは、それらが正常に動作することに対して、何の責任もありません。AutoCAD Express Tool...

業種別ツールセット無しでは、機械設計には特化されていない

これは従来のAutoCADでも同じですが、業種別ツールセット無しだと、機械設計には特化されていません。

具体的には、以下のような感じです。

  • 機械要素のシンボルが無い
  • 機械製図で使う記号(溶接記号や表面性状の指示など)が無い

いずれも、足りないものは自分で作図するなどして用意する必要があります。

私は限られたシンボルしか使わないので足りていますが、新しい図面をガンガン描く方なら、業務効率に関わるかもしれません。
その場合価格はあがりますが、「AutoCAD Plus (AutoCAD including specialized toolsets)」をご検討ください。

▼ 機械設計向けのツールセットについて

Mechanical ツールセットとは | 業種別ツールセットを含む AutoCAD | Autodesk

まとめ

  • AutoCAD(業種別ツールセット無し版):71,500円/1年間(2021/9/9時点)
    従来のLT価格で、AutoCADの機能が使えます。但し、業種別ツールセットはついていません。
  • AutoCAD Plus (AutoCAD including specialized toolsets) :231,000円/1年間(2021/9/9時点)
    業種別ツールセットが使えるのが利点。例えば機械設計だと標準部品や機械製図の寸法などが用意されているので、便利だと思います。

体験版があるので、迷われる方は一度使ってみて検討されてみて下さい。

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