3Dスキャナを買わずに、実物の写真から3Dデータ化する方法の紹介。
スキャンしてから、普段使いの3DCADへのインポート手順も書いた。
とても便利だ。
2019/5/21:サービスが終了になり、使えなくなりました
この記事の方法は、「Autodesk ReMake」の終了に伴い、使えなくなりました。
同じことをするには、「Autodesk ReCap Pro」というソフトの「ReCap Photo」というツールを使う必要があります。
こちらは有料(サブスクリプション)です。
詳しくは、説明サイトをご覧ください。
ReMakeの終了について
ReCap Proについて
目的
この記事の目的は、下記2点だ。
- 費用をかけず、モノをスキャンする。
- スキャンした3Dデータを、3DCADソフトで編集できるようにソリッドデータ化する。
きっかけは、装飾部材のモックなど複雑なカタチの実物のモデリングが面倒だなあ、と思ったこと。
前の会社では試す時間が無かったので、人海戦術でゴリゴリと採寸してモデリングしていた。
結果
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費用をかけず、モノをスキャンする。
できた。使った機械はスマホとPC。装置としての3Dスキャナは買わずに済んだ。 -
スキャンした3Dデータを、3DCADソフトで編集できるようにソリッドデータ化する。
できた。私が使っているInventorへの読み込み、編集可能なデータ化(ソリッドデータ)ができた。
ただ、スキャンしてすぐにデータとして使えるわけではない。
自由にいじれるデータにするまでにひと手間が必要だったので、そこも合わせて書いていく。
注意点
- モノの形状によっては、自分でモデリングした方が早い場合もある
手順の紹介
まず、大まかな手順を1枚の画像にした。
詳細は以降の項目に書いた。
※クリックorタップで拡大
1. 撮影する
- 全周を撮影する。
デジタルカメラやスマホカメラで、全周を撮影する。
15°程度きざみだが、ざっくりでOK。
最低限、上から見下ろして全周、正面からの全周が必要。
30~40枚の画像がいる。
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自分が公転すること
カメラを固定して対象物を自転させて撮影すると、ことごとく3D化に失敗した。
おそらく、背景が連続しないから?
対策としては、対象物を固定し、頑張って自分が公転すること。スクリーンなどを使って背景を単一色にすると、自転させても3D化できるのかもしれない。
※未検証です。 -
この記事ではサンプルとして、鳥の置き物を3D化してみる。
2. 3Dデータを整える
PCでスキャンデータを整えていく。
使うソフトは下記の通り。適宜PCにインストールする。
気付けばすべてAutodeskファミリー。
2-1. 写真を3D化する
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ReMakeを使って作業する。
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Dashboardの上側、Create 3Dから3Dを生成する。
「Photos」→「Online」→「Local drive」から、画像を選択できる。
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画面下側の「Create model」をクリックすると、生成がスタート。
画像枚数にもよるが、30分程度待つことになる。 -
出来上がったら、Dashboard画面の下側、My cloud DRiveに用意されている。
矢印をクリックしたら自分のPCにダウンロードできる。 -
ファイルを開くとこんな感じ。
あれ?鳥はどこ?と思ったけどちゃんといた。
2-2. 背景を消す
余計な背景や、スキャンしたい物体以外のゴミを消していく。
選択してデリートキーを押すだけなのでとても簡単。
選択ツールは画像青矢印のアイコン。
2-3. 穴をふさぐ
底面がアキッパだったりデータ欠損があるので修正する。
画像の「Fill holes」というツールで処理できる。
2-4. データを軽くする
- メッシュが細かすぎるので、減らす。
任意だが、適当に50%くらいにしておいた。
- 最後に「Fusion360-obj」形式でエクスポートする。
- 自分のCADがobj形式に対応していれば、ここで作業は終了。
私の使っていたCAD Inventorは未対応だったので作業続行。
2-5. 自分のCADで読めるように、変換する
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Fusion360を使って作業する。
2-4で保存したファイルを、Fusion360で開く。 -
各自エクスポートする
変換する形式は、読み込ませたい自分のCADによって各自決めてほしい。
例えば私の場合、CADはInventorを使っていたので「Iges」を選択した。 -
左上のファイル⇒エクスポートから可能。
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igesに変換するための作業
開いてそのままigesにエクスポートしても、空ファイルになってしまう。
対処としては、メッシュををBrep面に変換してからエクスポートする。
方法は画像の通り。
3. 自分のCADへインポート
Inventorで読み込んでみた。
ソリッドモデルとして読み込まれているので、穴をあけたり付け足したり。編集が可能だ。
あとは煮るなり焼くなりどうぞ!お疲れ様でした。
追加メモ
空撮して建物を3D化?
今回紹介したAutodesk ReMakeの有償版や、Recapというソフトがリリースされている。
これは写真からの3D化を更に強化したプロユース仕様。
扱える画像の枚数上限も多い。
ドローンで空撮して建物を3D化とか、スケールでかいことをやれるようだ。
体験版あり。有料ソフトで、月額6480円程度。
InventorでのSTLファイルの編集
Inventorは、stl形式で読み込むとメッシュデータなので、穴をあけたり編集することができない。
編集可能なソリッドデータにするための方法は、2つある。
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ひとつは、この記事で紹介したigesに変換してインポートする方法。
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ふたつめは、Autodesk Labs からリリースされたツールを使う事。
ただ、サブスクリプション契約者のみの配布となっている。
詳しくはこちら
おまけ
失敗例。
枚数が少ないのと、写真のぶれが大きかったせいかボコボコに・・・