お問合せを頂いたので、回答を記事にしました。
先日、お問合せフォームから記事のリクエストを頂きました。
頂いたお題は、 「『3面図が読める』とはどういうこと?」
自分に置き換えて考えると、以下の2つの項目が把握できたとき。
初めて抵抗がなくなりました。
1. 立体形状を把握できる
当然ですが、まずは三面図から形を想像せねば始まりません。
「3面図が読める」というからには、これが第一の事項です。
正面や側面図から、実際の立体形状を三次元的に頭の中で認識する必要があります。
これ自体、昔は時間をかけて習得するスキルの一つであったでしょう。
私は時間がかかりました。
初めて複雑な形状の図面を見た際、なかなか形状のイメージができなかったんです。
実際のモノと見比べて、根気強く訓練してわかるようになりました。
でも時間がかかったのは昔(15年くらい前)だから。
現在は普通にアッセンブリーやパーツは3Dデータが存在するところが多いでしょうし、三面図だけを頼りに形状を予測するほうがレアかもしれません。
ただ、もし二次元図が主流の環境だったとしても、今は大丈夫。
三次元CADが一個人でも気軽に手が届きますから、苦手な人でも訓練時間は大幅にショートカットできます。
理解できない三面図があれば、簡単に自分でモデリング。
そして課題図と見比べる。それを繰り返せば高速で好きなだけ訓練ができます。
ぶっちゃけ、二次元図はわかりづらい
なかなか理解できないと、「自分は空間認識能力が劣っているのか?向いていないのか」と心配になるかもしれません。
しかし。
複雑な形状ほど、三面図から理解しづらいのは当然のことです。
ぶっちゃけ、二次元の図面は、伝える力は弱いです。
同じ図面を見ている人間同士でも、同じ三次元形状がイメージ出来ているとは限りませんからね。
こんな記事も書いています。
2. ツッコミを入れられる
さて、前項のように立体形状をイメージ出来たら、「3面図を読む」という作業においてはほぼ完結です。
ただ、「3面図=図面」なので、「図面を読む」ならばもう一息。
それは、「図面にツッコミを入れること」です。
ツッコミは疑問と言い換えても良いです。
- あれ?コレどうやって加工してるんだろ?
- 組み立て順序はどうなってるんだ?
など、読み手が感じた疑問やツッコミは、客観的視点としてとても重要です。
私は以前は疑問が湧いても、
「自分の読図力や知識がないからではないか」と疑問を封印してしまいがちでした。
しかし読み手が疑問をもったということは、図面に情報が足りていないという事。
組図にしろ部品図にしろ、自分が見ている図面が100%正しいとは限りません。
疑問やツッコミを入れるという事は、前提となる設計知識があろうとなかろうと、「主体的に図面を読んでいる」と言えます。
以上、「『3面図が読める』とはどういうこと?」という頂いたお題で考えてみました。