先日、3D CAD「Autodesk Inventor Professional」(2019)を導入しました。
個人事業主の私にとっては高めの出費でしたが、大満足です。
入れて早速、製図時間を元の半分以上減らせました。
そして何より、負担が減ったことで思考に余裕が生まれます。
具体的に何が良かったのか?
「Autodesk Inventor」を入れて、すぐに役立った機能を紹介します。
「iparts」に助けられた。一つ書けば、類似品はエクセルで自動生成できる
先日、100枚以上の二次元部品図を作成する機会がありました。
しかも短納期。発注元も「追いつかないから助けてくれ~」と切羽詰まった感じ。
部品の形状はほぼ共通だが寸法が各箇所違うという、地味に疲れる案件です。
▼形状のイメージ。バリエーション分、図面が必要だった

発注元では2D CADで作業しているようでしたが、同じように2D CADで作業していてはとても間に合わないと判断。
そこで導入して使ったのがAutodesk Inventorの「iparts」という機能です。
ちなみに1年間のサブスクリプション料金:319,680円(2018年11月時点)
「iparts」とは?
Autodeskのサイトにはこう書かれています。
サイズや材料などの変数が異なるパーツ ファミリを作成します。
iPart の概要 | Inventor 製品 2018 | Autodesk Knowledge Network
iPart の概要 | Inventor 製品 2018 | Autodesk Knowledge Network
簡単に言い換えると、「寸法や材料違いのバリエーションを、表を編集することで生成できるよ」という機能です。
作図(モデリング)は一度だけ
2D CADで作図するよりマシですが、いくら3D CADでも何度も同じ物を描くのは疲れます。
しかしipartsを活用すると、モデリング(3Dモデルを作ること)は1回で済みます。
モデリング時の各寸法に、変数名を付けておきます。
「パラメータ」という機能を使うと、各部寸法を、好きな名前に変更できます。


エクセルで各部寸法を入力
そして、ipartsの機能の出番です。
バリエーションのテーブル(表)が作成されます。
その表はInventor上だけでなく、エクセルで編集可能。

ぽちぽちと打ち込み、表を完成させます。
ちなみにこの表を作るのは結構手間に思われるかもしれませんが、二次元CADで一枚ずつ作図するよりは格段に楽です。
モデルは完成!
はい、エクセルリストを埋めたら、モデルは完成です。
あとは、これを図面にするだけ。
▼(gifアニメ)左のツリーから、クリックでバリエーションを切り替えています。

寸法入れも1回だけ。
図面の寸法入れって面倒ですよね。
枚数があると時間かかります。しんどくて辛いです。
その作業も、基本的には1枚分で済みます。
▼(gifアニメ)1度だけ寸法を入れておけば、ipartのバリエーションを変えると寸法が追従します。

ただ部品のサイズが大きく変わると、見た目が崩れてしまうのが難点。
まあ、最初から完璧を求めると逆に時間がかかるので、見た目の修正は手動でしました。
表題欄も、変数をいれておくと自動で変わります。上のGIFアニメでも、右上の部品名「samle n」が切り替わっているのが分かると思います。
ちなみにInventorの図面ファイルは、AutoCADでも読めるDWGファイルに一括変換が可能です。
2D CADは人間が出づっぱり
3D CADだと工数減だけではなく、疲労もかなり軽減されて思考に余裕ができるのが大きいです。
2D CADでもマクロなどで頑張って自動化はできますが、それをするのも結構な手間ですからね。
▼ 今回の仕事を、2D CADで作業した場合の工程と比較してみました。
人間マークは、人間が作業する工程です。

基本的に2D CADは人間が働き過ぎです。
他にもいろいろできる
この記事では「iparts」という機能だけ紹介しましたが、もちろん他にも色々できます。
「iparts」のアセンブリ版「iAssembly」 も便利ですし、プログラミングできる「ilogic」など、強力なカスタマイズがあります。
順次、紹介していきますね。めちゃ重宝してますよ。
体験版が1か月使えるので、各自業務へおきかえができるか試せます。
購入はネットで完結。素早く入手できる
せっかく良いソフトでも、入手できなければ意味がありません。
Inventorは入手しやすいのも魅力です。
カード決済ならネットのみで即完結するので、スピード感があります。
現に私は、「2Dじゃ間に合わない、そうだ最新のInventorなら」と思い立って数分後にはもうソフトのインストール作業に入っていました。
見積をとって。。というプロセスが入るとどうしても出足が鈍りますからね。
(ネットワークライセンスが必要など特別な場合を除く)
(参考)pc環境
ある程度のPCスペックを要求されます。
▼動作環境はこちら
▼私はこのpcに入れています。
OSはWindows10の64bit、グラフィックボードはNVIDIA Quadro P4000です。
メモリは16GB。Inventorの推奨動作環境には足りていませんが、普通に動いています。
(ただし、部品点数の多いアッセンブリは開くとどうなるかわかりません)
さいごに。まずは、2次元CADの補助使いでも価値あり
3D CAD「Inventor Professional」は大企業だけではなく、個人など小規模な環境でも存分に力を発揮します。
2次元図面しか扱ってないよ、という人もぜひ3DCAD導入を検討してみて下さい。
うまく業務にとりこめば、効率が大幅に向上します。
2D CADでは書くのが面倒な形状ってありますよね?
まずはその部分だけ3Dで書いて取り込む、とかでも良いんです。
私も今まで「3Dは設計検討だけ派」でしたが、今回切羽詰まって製図業務に3D CADを使ったら大幅に時短できて感動しました。
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