3D CAD「Inventor」の「フレームジェネレーター」に、オリジナルのカスタム鋼材を登録する方法を紹介します。
「フレームジェネレーター」は便利ですが、標準では基本的な形鋼(LやH形等)しか入っていません。
私はアルミフレームをよく使いますので、自分で定義して、カスタム形状として登録しています。
この記事では「フレームジェネレーターにアルミフレームを追加する」という想定で、説明します。
アルミフレームに限らず、他の断面形状を追加したい方にも参考になると思います。
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別記事で、作ったアルミフレームをInventorで使う流れを説明しています。
便利です。
コツは、形状を作りこみすぎないこと!
以下の方法は、「とりあえずパパっと作って、検討時に形状がイメージできれば良いや!」という考え方で作成しています。
構造解析したいので形状が重要……など特別な目的がある場合は、各自ご対応下さい。
例えば、正確な断面形状が必要なら、メーカーサイトから断面形状のCADデータを入手したり、パラメーターを作りこむなど
1. 断面をモデリング
私の環境は、Autodesk Inventor 2019 Windows10です。
パーツのモデリングモードに入る
「ファイル」→「新規」から、standard.iptをクリック。
部品(パーツ)のモデリング画面を開いてください。

とりあえず、部品ファイルとして保存しておいて下さい。
名前は何でもいいです。
パラメーターを定義
サイズ違いのアルミフレームを用意するので、主要寸法に名前を付けておきます。
後程、アルミフレームのサイズ違いバリエーションを作るための下ごしらえです。

私はこんな感じで定義しました。
- 外形サイズ
- 溝幅
- 溝深さ
- 長さ方向
特に決まりはありませんので、適当に。
数値の欄には、代表的な数字を入れて下さい。
よく使うアルミフレームメーカーのカタログを見ながら、主要寸法を入力すればOKです。
鋼材の断面をスケッチ
作りたい鋼材の断面形状をスケッチします。
一回で押し出せるように、このスケッチに全ての形状を描いてください。
主要寸法が見られれば良いので、断面形状は簡易的に描いています。
主要寸法は、数字は入れません。
先ほど定義した、パラメータ名を入れておきます。

押し出す
押し出す高さは、先ほど決めたパラメータ「長さ方向」を当てておいてください。

ipartでフレームのバリエーションを作る
アルミフレームを使うなら、負荷に応じて複数のサイズを使う事と思います。
私の場合、一辺が30や40mmをよく使います。
そこで「ipart」という機能で主要寸法を指示して、サイズ違いを作ります。
「管理タブ」→「ipartを作成」をクリック。
でてきたウィンドウの下部の行を追加し、バリエーションを増やします。

上手くバリエーションが生成できれば、下図のように切り替えられます。

ipartについては、別記事に載せています。ぜひご覧ください。
2. コンテンツセンターへ出力
はい、形状が出来たら、鋼材としてInventorに認識してもらいましょう。
「管理タブ」→オーサリングエリア→「形鋼」を選択。
「パラメータマッピング」のタブで、「長さ方向」のパラメータ寸法を指示。
そして、「すぐにパブリッシュ」をクリックします。

後は保存場所や名前など聞いてきますので、適当に入力すると完成です。
3. 完成
正しくパブリッシュされたか、確認してみます。
「ファイル」→「開く」→「コンテンツセンターから開く」をクリック。
形鋼の分類に、先ほどパブリッシュしたアルミフレームがありました。
ちゃんと、選択できるようになっていますね。

作りこみたい方は、材料など各種パラメーターを設定してみて下さい。
形状の検討だけなら、それらを端折ってもOKです。
パブリッシュできない!という方は
まれに、権限の関係でエラーがでるようです。
下記のサイトを参考にしてみて下さい。
動画でも説明しています
細かい操作の様子は、動画の方がわかりやすいと思います。
※音声入り。