私は個人事業主として、図面仕事を頂いて納めるという請負仕事をしています。
仕事の開始当初、一番の苦手は見積でした。
たいてい、少なくしすぎて赤字を出してしまうのです。
最近はマシになってきたので、自分なりの対策を書いてみます。
対策:必ず実績を記録する
結論から言うと、これです。
1案件が終わると、必ず振り返って実績時間を記録しています。
この作業、見積を失敗した案件ほど、苦痛で嫌なんです。
だってどれだけ損をしてタダ働きになってしまったかが、ハッキリ見えてしまうので。
作業中は納期に追われて考えませんけど、いざ冷静になるとどうしようもなく辛い(笑)
でもこの悔しさ、次の案件に活かせば良いんです!
対策としては、特別なことはしていません。
こういう簡単なエクセル表に、見積時間と実績時間と案件内容をひたすらメモっているだけです。
▼こんな感じ
図では省いていますが、図面の枚数や内容なんかも書いています。
のど元過ぎれば・・・で納期に追われていると失敗も忘れてしまいます。
こうやって記録を残しておくと、別案件で少なく見積もろうとする自分への警告になります。
なぜ、見積の精度を上げたいのか
さて、私が見積の精度を上げるのに必死なのは、
基本的には「見積時間=請求時間」だからです。
引き合いがあった際に条件や内容を聞き出し、予測して見積もらねばなりません。
受注後、請求金額を変えるのはまず無理です。
よほどの仕様変更の発生等があれば別ですが、それでも「仕様変更とは認識していない」みたいに突っぱねられる場合があって厳しいです。
初期の実績リストを見返すと、毎回オーバーしていました。
自分の作業スピードの遅さなら、まだ諦めもつきます。
でもそれより先方都合と言えるケース、多いです。
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見積後にもらった図面がグチャグチャで、書きなおしたほうが速い状態。
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バッチ処理を行おうにも、バラバラのルールで書かれた図面では結局手作業の方が速かったり、など。
どうして、少なく見積もってしまうのか
見積でミスる時って「少ないかも」「でも吹っかけてるって言われたら」みたいな考えが一度は頭によぎってるんです。
で、案の定見積オーバー。
単に「読みが甘い」なんでしょうけど、別の原因もあると思います。
自己肯定感の低さが安売りにつながる
独立したては、仕事の発注がすごくありがたくて舞い上がります。
特にサビ残まみれのブラックだったので、出社しなくてもいいって事に感動して「ただでもやります!」みたいな変なテンションになっていました。
会社で叩かれていたことを思い出すと、「こんな自分が単価をつけて仕事をとるなんておこがましいのではないか?」「やっていけるのか」とかグルグルと考えてしまいます。
そんな思考の中で見積を行うと、どうなるか。
頭の中では時間を見積もれているのに、もう一人の自分が駄目出しをして見積工数や単価を勝手に下げるみたいな事になります。
精神の健康、大事。
見積時に心掛けているポイント
私の場合、傾向として少なく見積もりがちです。
ですので、適性に上げていく(過度に安売りをしない)ために心掛けているポイントを書いてみます。
見積時間=拘束時間として考える
「ヨーイドンで開始して駆け抜ける」ような、全速力ダッシュでの工数見積はだめです。
必ず依頼元からチョコチョコと問い合わせや、ちょっとした変更依頼が入ってきます。
それくらい、って思うかもしれませんが枚数がかさむと工数として馬鹿に出来ません。
そんな時、全速力ダッシュの見積時間だと、必ず赤字になります。
なので、「70~80%くらいの力での作業時間」に加え、「途中の問い合わせやちょっとした修正依頼」を加味してやっと適性に近付きます。
全速力見積の2倍で、トントン
上記のような考え方で見積時間を出すと、当初の2倍程度の見積時間になりました。
普段が安いと「ボリすぎなのでは・・」と不安になります。
修正の発生が多い取引先に恐る恐る出してみましたが、普通に通りました。
(見積書には細かく作成、修正、など内訳はしっかり書いておきました。)
もちろん取りすぎも問題ですが、バッファは必要です。
問い合わせや修正が少なくても、元データの精度が悪かったり諸々の伏兵が潜んでいることが往々にしてあります。
とりあえず今まで、「儲け一杯だもんね~ぐふふ」なんてことは無いです。
変更だのなんだので、余裕をどんどん食いつぶされることがほとんどです。
さいごに
見積って毎回悩みますけど、請負業務の宿命ですね。
新しい取引先だと読めない事が多いので、失敗も多いです。
「仕事取れなかったらどうしよう」っていう不安も心にありますし。
あまりに損した状態が続くなら「撤退」も選択肢として持っておくべきかな、と思います。