AutoCAD と AutoCAD LTの違いは、大きくは3D機能の有無です。
しかし2D作図しか使わなくとも、LTには無い大きなメリットがあります。
2021年5月より、AutoCAD LTに替わる「業種別ツールセットを含まないAutoCAD」の販売が開始されました。
これによりLISPや3Dが使えるAutoCADが、LTと同一価格で利用できるようになります。
従来のAutoCAD LTは、2021年6月に新規販売が終了します。
▼ 新しいAutoCADについて記事を書きました。
AutoCADの最大の利点=大量の図面処理が捗る
私は3DモデリングはInventorやSolidworksを使います。
でも2D製図ではLTではなく、3D機能は使わないのにAutoCADを使っています。
LTとは単体価格で約4倍の価格差があるのに、もったいないと思われるかもしれません。
当初は何も考えずに導入したので「しまった」と後悔しかけましたが、今は満足しています。
理由は、大量の図面処理が捗るからです。
プログラムが苦手でも大丈夫。
例えば、
- 新しい図枠テンプレを挿入して上書き保存
- 指定したバージョンのDXFとして変換保存する
- 特定の箇所をズーム表示した状態で保存
こんなの、100枚分あるのに手作業とかうんざりですよね。
「でもどうせLispとかプログラム組めないとだめなんだろ!?」
と思われるかもしれません。
しかしこの作業レベルなら、高度なプログラミングスキルは不要です。
プログラミングが不得手でも、AutoCAD使用時はコマンドを打ち込んで作業していますよね。
あなたがいつも手で打ち込んでいるコマンドを、メモ帳に記述して「スクリプトファイル」を作ります。それを実行するだけです。
(最低限の記述ルールはありますが)
AutoCAD LTではかなり面倒
ただ、そのスクリプトファイルを「複数の図面に対して適用・実行させる」のはAutoCAD LTでは難しいんです。
AutoCADの場合は、公式サイトからツールが配布されているので、それを入れれば簡単に可能です。
詳しくは、下記記事をご覧ください。AutoCADの方が公式ツールで簡単に作業できているのがわかると思います。
関連記事:AutoCADとAutoCAD LTで、大量の図面を処理する方法のまとめ。例えば複数のDXFファイルを一括変換するなど、色々できます。
作業はPCに任せて、自分を休憩させてあげよう
こういう地味で大量の作業って、設計業務の中で頻出します。
何とかしたいけど、試行錯誤する時間もない・・・と諦めがちでした。
単純作業と言われればそれまでですが、頭使いますし精神・肉体ともに疲労します。
大量に処理する図面があると、漏れが無いかとか、ミスを気づかいながらの作業になるからです。
作業内容によっては単純なスクリプトファイルでは解決できない事もあります。
しかし複雑なことはできない分、導入が簡単ですぐに試せます。
地味でストレスフルな反復作業を抱えている方は、試してみては如何でしょうか。
AutoCADの入手について
AutoCADはサブスクリプションといって、ソフトをレンタルして期間に応じてお金を支払う形です。例えば、年間契約なら1年分の料金を支払って、1年間だけ使うことになります。
永久ライセンスと比べると、常に最新の状態に維持できるのがメリットです。
2021年5月より、AutoCAD LTに替わる「業種別ツールセットを含まないAutoCAD」の販売が開始されました。
これによりLISPや3Dが使えるAutoCADが、LTと同一価格で利用できるようになります。
従来のAutoCAD LTは、2021年6月に新規販売が終了します。
▼ 新しいAutoCADについて記事を書きました。
- AutoCAD(業種別ツールセット無し版)なら71,500円/1年間(2021/5/26現在)で使用可能です。LISPも使えるようになりました。
- AutoCAD Plus (AutoCAD including specialized toolsets) は、AutoCADと比べると、業種別ツールセットが使えるのが利点です。機械設計だと標準部品などが用意されているので、便利です。 年間契約すると231,000円/1年間(2021/5/26現在) です。
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内容によっては、3D CADも選択肢に入れると効率が向上します。