のぼゆエンジニアリング

ゼロから機械設計を勉強してみたりするブログ

不器用な素人が、手作りの板金筐体で得たコツを7つ紹介



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以前、工作の習作で時計を作りました。
図面をゼロから描いて、全て手作りです。
一番大変だったのは、板金筐体製作でした。
手作りゆえの苦労と発見があったので、まとめておこうと思います。

作った物

時計です。

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デザインコンセプト

私の筐体コンセプトはこんな感じです。
・できるだけネジを表に出さない
・スタイリッシュっぽくする

何で大変だったか?

一番大変だったのは、板金筐体製作です。
これはオリジナルなので、骨が折れました。

乏しい設備と不器用な自分でなんとか製作しなければならないからです。

その作業上の記録を、テクニックとしてまとめておこうと思います。

※基板も手ハンダで電源から作りましたが、回路は教材で自分で設計していません。
基板製作も一苦労でしたが、無心で作業すればなんとかなりますのでここでは触れません。

1.まず設計前に現実的に工具を把握しておく

デザイン的にどんなにすばらしくても一人で作る以上、「自分が作れるのか」がネックになります。

加工業者の方に依頼するならまた変わって来るんですが、ひとり工作の場合は全工程を現実的に把握しておかねばなりません。
例えば手近に旋盤がないのに、積極的に円筒状のパーツを使おうとは思わないですよね。

構想する→加工法を考える→出来なさそう→振出し

でサイクルを回し、一人ブツブツと議論していました。

2.ホームセンターの工作室が便利

乏しい設備の中助けになったのは、ホームセンターの工作室です。

都会ならDIY支援施設があるようですが、私の住む地方にはありませんw

ただホームセンターなら数が多いので、近くにある確率が高く利用しやすいです。
近所では電動糸ノコ、ボール盤だけでしたが大きな助けになりました。

後でちゃんと掃除すれば、切り粉等のゴミも気軽に出せます。

3.リベットを積極活用すべし

板金工作なら、リベットを使えるので外観上のデザイン自由度が高まります。

今回感じたリベットの利点は2つ。

利点1. ネジに比べて目立ちにくい

デザインコンセプトでは、ネジを出したくないと言ったものの締結は必要です。
そこでリベットだと、ネジに比べて出っ張らないので目立ちにくいのが良いです。
皿リベットなら上から塗装したら更にフラットになります。

ネジにも極低頭なのもありますが、リベットは沢山買えて安いのも魅力です。

リベット

利点2. ネジに比べて、締結が楽

ネジはしっかり止まるので信頼性は高いのですが、数が出てくると時間が気になります。

リベットならバチンバチンと工具を握って打っていくだけなので楽です。

ここで、電動ドライバならネジ締めが速いのでは?と思われたかもしれません。

ネジ締めにするには、相手材のネジ加工が必要です。
薄板ならバーリング、埋め込みナット、普通のナット止め……
ひとり工作なのでやるのは自分です。それを考えるとリベットに分がある気がします。

リベッターもリベットも、アマゾンやホームセンターで普通に買えます。

今回感じたリベットのデメリットは2つ。

難点1. 下穴ミスると止まらない

ねじ止めだったら少々バカ穴をミスっても何とかなりますが、リベットは下穴を大きくしすぎるとスコスコと動いてしまうので難儀しました。

適切な下穴は、パッケージやメーカのサイトに載っています。

難点2. 分解できない

当たり前なんですが、リベットを使う箇所は基本的に取外さない場所に限ります。
それを考慮した設計をする必要があります。

あとは間違って打ったら外すのが面倒ですw

今回の時計だと、基板を入れないとだめなので裏側はねじ止めのパネルにしています。

4.埋め込みナットがありがたい

薄板のネジ止めの方法としては、主に3つあります。

  1. バーリング
  2. ブラインドナット
  3. 裏からナット止め

1. バーリング

バーリングは、薄板を少しくぼませてネジを切りネジ山数を稼ぐ手法です。
普段の仕事では使いますが、今回の手加工では却下しました。
手でできない事もありませんが、凸に押し出して、ネジを切って・・と数が多いと面倒で。

2.ブラインドナット

私のおすすめはコレです。

下穴をあけて圧入すれば、十分なかかり代を備えたネジ穴のできあがりです!

▼こんな感じ。

埋め込みナットの写真

リベッターのように「ナッター」という工具があります。

3.裏からナット止め

これはおすすめしません。

狭いスペースでは手が入らず作業性が悪い、時間がかかる・・などが理由です。

5.やっぱりプレスブレーキは欲しい

板金加工に欠かせないのはプレスブレーキ(ベンダー)です。
曲げ加工のための機械です。
万力などを使って手加工もできない事もないですが、めちゃ大変です。

何かプロユースで雲の上なイメージですが、薄板向けかつ手動なら入手は現実的です。

使った感想を書きます。

ホーザン メタルベンダー 板金折り曲げ機 K-130

入手しやすく、使いやすいです。
作業机にクランプする必要があります。

不満な点は下記の通りです。

1. 材質・厚みにより曲げRがでかくなる

今回のアルミt1.0でも少し感じました。
曲げのエッジがびしっと小Rで曲がってくれない感覚です。

SPCC等他材質ならもっと辛いと予想。

2. 箱曲げが不便

基本的にはL字オンリーですが、箱曲げもできます。
しかし本体に設けられた逃げ用の切込の間隔を合わす必要があり、設計上のネックになります。

メタルブレーキ

こちらは借りて使う機会があったので未購入ですが、アマゾンやヤフオクでも見かけました。
これは単体では使えず、万力でガッチリと固定する必要があります。

個人用途だと、重量物ですし、しっかりした作業机と万力も準備する必要があるので導入しづらいかもしれません。

ただ、HOZANのよりは板金工作が捗ります。

オス型はボルトを外すとある程度は分解できるので、箱曲げに自由が利きます。
力が良く掛かるので、エッジがビシっ!と小さい曲げRで加工できます。

しかし万能ではありません。
やはり構造上加工できるワークサイズには制限がありますし、精密な角度出しもできませんし、不自由さもあります。

6.範囲が広いなら、ニブリングは辛い

7seg用の角穴(四角形の穴)をあける必要がありました。
当初ハンドニブラーを使って開けようと思いましたが、後悔しました(笑)

手が吊った。

結局、角穴の四隅にドリルで穴をあけ、糸鋸の刃を通し、あけました。

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狭い範囲なら手軽に開口を広げられて便利なんで、用途が合えば使ってみて下さい。


7.怪我にはくれぐれも注意

1人で作業する分、怪我には特に注意したい。

特別な事はしていませんが、私の注意したことは下記の通りです。

1. 保護眼鏡は絶対かける

慣れると省略しがちですが、絶対かけるべきです。
いくら慣れていても、切粉がピュっと飛んで来たり、熱中してドリルを折ってしまったり。

逆に、初心者だからと謙遜して使わないようなパターンもありがちですが、絶対かけて下さい。
私が前にいた会社、「加工下手の癖に生意気」とか言われて作業服やメガネを使う人を嗤う最低な風潮がありました。

人に何を言われようと、気にしないでください。痛いのは自分です。

2. ボール盤使用時に手袋はしない

まきこまれます。

3. やすり掛けは念入りに

切りっぱなしの薄板はめちゃくちゃ痛い。
ちゃんと時間をとって、まとめてやすり掛けした方が良いです。
コーナーだけではなく、エッジもです。 薄手の手袋や布でエッジを撫でた時に、引っかかりがないのが理想です。

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